
ドラゴンズの4番バッターは誰? 中日OBで元阪神監督の矢野燿大さんが語る「4番に求められるもの」

石川、細川、中田、ボスラ―…強竜打線復活のカギを握る4番は誰が担う?元ドラゴンズの捕手で阪神での監督経験もある矢野燿大さんが、4番バッターに求められるものについて解説していただきました。

得点力不足のキーマンとなる4番バッター。今回は4番候補にこちらの4人を挙げました。
地元・東邦高校出身の石川昂弥選手。
DeNAから現役ドラフトで加入・2年連続20発以上を放っている細川成也選手。
オフに15キロ以上の減量をした中田翔選手。
新加入のジェイソン・ボスラー選手。3Aで3割31本110打点と成績残しています。
Q.矢野さん、ずばり4番バッター誰に任せたらいいでしょうか。
矢野さん:
皆さんも望んでるのは石川君でしょう。僕も石川くんかなと思います。パンチ力がありますし。今のドラゴンズはまだ勝ちながら育てる、育てながら勝つという時期にあります。エースと4番は生え抜きの選手を育てることをファンの人を求めていると思います。その中で石川君は4番として魅力があります。
矢野燿大さんが見た石川昂弥

Q.週末のオープン戦どちらも4番バッターを務めていましたけど4番・石川昂弥選手に求めることは?
矢野さん:
石川君はいいものを持っていると思いますが、ちょっと無難かなと。合わせにいったり詰まったライト前とか差し込まれることが多い。あまり怖さを感じなかった。もっと決めるところではホームランを決めていくとか。スイングとかタイミングで相手に怖いと思わせる圧力というか「怖さ」がまだない。状況や場面では”詰まりながら落とす”というバッティングも必要なんですが、まずは荒々しく”振る”。石川くんの魅力・能力から言えばまず振ることをやってもらいたい。
Q.年齢を考えるとまだそんなに打率を残すってことを考えるんじゃなくて、自分の魅力を一番に出すべき?
矢野さん:
そうですね。石川君の魅力=長打力が発揮できればそれが怖さになるし、ドラゴンズファンの皆さんもそれが見たい。バンテリンドームでホームランが見たいですよね。相手もそれが怖い。今の石川君には「怖さ」が作れていないので、まずは怖さを作ってから”合わせるバッティング”を作っていく、それがいいんじゃないかと思います。
4番バッターに求められるもの
Q.阪神で監督も務められましたけれども4番バッターにはどんなことを求めますか?
矢野さん:
阪神の4番で大山選手を使うときに監督室に呼んで「お前のバットで勝たしてくれ」と言いました。そして「もちろん4番としての結果を求めている。でもそれ以上に打てなかった時、凡打で1塁まで諦めて走る、これは4番じゃないよな。4番の姿勢を貫いてくれ」と言って約束したんです。大山選手は今でも全力疾走めちゃくちゃする。ファンも相手チームも認めるぐらい。そういう姿勢は井上監督が石川君の調子悪くても『我慢しよう』『こいつを育てよう』というような部分とチームの信頼にもつながるので、石川くんにも頑張ってもらいたい。こいつが4番だなと認められる姿勢を大事にしてほしい。
Q.ちょっと故障もあって試合から離れていた復帰戦で、週末2連戦4番で使った、これは井上監督のメッセージ?
矢野さん:
めちゃくちゃメッセージですよね。
井上監督も石川選手を4番で起用するという方針を示しているそうです。