
大阪にある温泉レジャー施設には「動物園」があった!古びた「神社」も発見…敷地内の“廃道”から見る歴史

大阪府箕面市にある「箕面温泉スパーガーデン」。温泉やプールなどがある複合レジャー施設で、箕面観光ホテルも併設されるほど広大な敷地を誇ります。
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その昔、5万坪を超える敷地には遊園地やスケートリンクもありましたが、現在は営業規模を縮小。使われなくなった敷地には、道マニア界で噂の“魅力的な廃道”が存在しているのです。
今回は立入禁止エリアに特別に入らせてもらい、道を調査します。案内してくれるのは道マニア歴26年、3歳の頃にスパーガーデンのプールで遊んだ経験もある鹿取茂雄さん(46)。
まず向かった先は、名物のエレベーター西側にある使われていない敷地。過去に車道であったことを示すセンターラインが残る道や、
(鹿取さん)
「完全に90°くらい折れ曲がっちゃっている。普通に立っているよりもやっぱり曲がっている方がいい。へしゃげている方が廃道感を感じる」
エレベーターより西側の立ち入り禁止エリアの中へと進むと、赤い鳥居が連なった参道のようなものが。鹿取さんはまるで京都の伏見稲荷のようだと大興奮!
「白玉稲荷大明神」と書かれた古びた鳥居を抜けた先には、きれいな状態に保たれた神社がありました。
突如現れた“謎の穴”や“廃墟”
さらに歩みを進めると…見えてきたのは、石造りのアーチ橋。川にまたがるアーチ橋は、整えられた石が丁寧に積まれていて「曲線で丸みを帯びた形にするとものすごく強度が出るんです」と鹿取さん。
鹿取さんの考察では、ここには昔庭園のようなものがあり、渓谷を楽しむ遊歩道だったのではないかとのこと。
さらにディープな世界を目指して、次はエレベーターより東側の“廃道”を探索します。階段を上っていくと…現れたのは、レンガでできた“謎の穴”。
(鹿取さん)
「奥行きが5mくらいしかないこの空間。見た目はすごくトンネルっぽいけど、トンネルじゃない。噂によるとここに動物がいたらしいんですよ」
すると、目の前に“廃墟”のような建物が!鹿取さんは「従業員寮ではないか」と推測します。
さらに歩みを進めると…再び洞窟のようなものが。「何かを見せようとしているのは間違いない。そうすると動物がいたのもあながち嘘ではない」と話す鹿取さん。一体この穴には何がいたのか…
この謎を解明すべく、スパーガーデンの広告担当・東野能登さんに聞いてみました。
穴の中には“予期しなかった動物が”
まずは、あの“穴の正体”について。東野さんによると、そもそもこの施設には「箕面動物園」があったそう。
一番古い園内図を見てみると、はじめに見つけた穴のあたりには「ワニか亀」がいた可能性があるそうで…
(箕面温泉スパーガーデン 広告・マネージャー 東野能登さん)
「今現在ホテルの駐車場になっている部分も全部動物園だったようです」
明治43年に作られた箕面動物園。上野動物園、京都市動物園につぐ日本で3番目に古い動物園で、ライオンやトラ、ラクダなど多くの動物がいたようです。そして、鹿取さんが2番目に見た洞窟には、クマが展示されていた可能性があるとのこと。
箕面動物園は、動物だけでなく観覧車もあるほどのスケールを誇りましたが、兵庫県宝塚市の新しい動物園に移設するため大正5年に閉園。
閉園から35年がたった昭和26年に、温泉施設として箕面観光ホテルが開業しました。そして14年後には、プールや遊園地も完成し「箕面温泉スパーガーデン」が誕生したのです。
また、東野さんによると鹿取さんが見た「神社」は、当時ホテルの調理場などで事故が多かったため、災いをなくすために建立されたものだそう。
参道はホテル開業時から現在も使われていて、従業員が月に一度参拝し、きれいな状態に保っているそうです。
地元の人々に愛されている、箕面温泉スパーガーデン。現在立ち入り禁止になっているエリアには、数々の歴史が当時のまま残っていました。
2024年8月20・27日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より