人口約1500人の村の深刻な悩み オーバーツーリズムで駐車場の予約制の導入を検討 岐阜県白川村

連休期間でにぎわう各地の観光スポットですが、つきまとうのは、”オーバーツーリズム”の問題。関係者も、悩んでいます。
ゴールデンウィークの”谷間の平日”となった1日、岐阜県白川村の世界遺産・白川郷には、外国人観光客の姿が。
のどかな風景に、どの国の人たちも見とれている中、警察官が配っていたのは、英語や中国語で書かれたチラシ。
レンタカーなどで白川郷を訪れた外国人観光客に、交通ルールを守るよう呼びかけていました。
白川郷周辺では、今、観光客の増加に伴い交通渋滞が頻繁に起きています。
「混雑面では、住民も巻き込まれてしまう。交通渋滞の他にもマナー問題があり、いろんな意味で観光に対する負荷が出始めている」(白川村役場 観光振興課 小瀬智之さん)
急激な観光客の増加が地域に悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」の問題が深刻化しています。
ごみをポイ捨てしたり、私有地にレンタカーで駐車してしまったり…警備員の配置などで、環境維持のための費用は上がる一方に。
コストの上昇に対応するため、村は10月から、普通車は1000円から2倍の2000円にするなど、村営の駐車場の値上げを決めています。
駐車場の予約制導入で、観光業に携わる人の声は

さらに…
「村内の混雑を解消する意味で、ツアーバスの台数をある程度しぼり、ツアーバスの予約制を考えている。ツアーバスを予約制にすることで、入る台数がわかると、スペースを有効活用することで、より普通車を効率的に案内できる」(白川村役場 小瀬さん)
人口約1500人に対し、去年1年間に白川村を訪れたのは200万人余り。
駐車場の予約制導入により、観光客の減少も懸念されますが…
「ベストは観光客が満足できて地域も満足できるのが一番。いろいろな意見を聞いてどのくらいが妥当か考えたい」(白川村役場 小瀬さん)
観光業に携わる人の声もさまざまです。
「なんとか駐車場にスムーズに入れるようになって、私たちは来てほしいです」(土産物店)
「予約はちょっとめんどくさい」(ツアーガイド)
「いいと思う。それが当たりまえだと思っている。予約して入るのが、これだけオーバーにバスが来ていたら、それが普通じゃないかと思う」(バス運転手)
白川村は、予約制の導入についてさらに詳しく検討を重ね、来年度中に開始したいとしています。