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50代から始める投資4つのポイント「預金は油断して使ってしまう」新NISAと個人向け国債 FPが解説

テレビ愛知
12.14(土)10:00

ようやく子育てが一段落して、今までできなかった「資産形成にチャレンジしたい」「やってみたいけど何から始めたら良いか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか? そこでファイナンシャルプランナーの山口京子さんに50代からの投資の始め方とともに、資産形成の4つのポイントについて教えてもらいました。

資産形成の第一歩 まずは自分を知ることから始めよう

講演中の山口京子さん

10月7日に愛知県半田市で行われた山口さんの講演「一生安心して暮らせるお金のお話」には、50代から60代以上の男女を中心に66人が集まりました。山口さんは「人生100年時代、一度人生を上から俯瞰して見ることは重要」と話します。20歳から40年間働いたとして60歳。60歳からさらに40年間生きたとして100歳です。老後期間がとても長いことがわかります。

日常的にかかるお金のほかに、車やリフォーム、結婚援助金などの一時的な支出、さらには介護費用なども必要になってきます。

人生100年時代 老後は40年

産形成を始めようとしている50代は、会社員として安定的な収入が入る最後の世代。会社では役職や責任が増す世代で、収入面ではピークを迎える一方、近い将来訪れる老後の生活に備える年代でもあります。また、子どもも独立し、教育費の負担が減るため、老後の資産形成を始めるには適したタイミングだといえます。

山口さん:
「50代後半の人はバブル期のすごく良い時期を覚えている世代なので、意外と投資をしていない人が多いです。金融庁が2021年に発表した調査によると『50代女性の59パーセントは投資を行わない』と答えているんです」

そんな50代に伝えたい資産形成に大切な4つのポイントを紹介します。

老後に必要なお金を具体的に把握しよう

愛知県の健康寿命と平均寿命

1.健康寿命までのやりたいこと リストの作成

1つ目は「健康上の問題がなく日常生活を送れる期間」までにやっておきたいリストを作ることです。例えば愛知県の男性の健康寿命は72.85歳、女性は76.09歳。ここまでにやっておきたいことをリスト化します。

山口さん:
「やりたいことがないと、自分が亡くなるときに金融資産残高がピークに達するんです。せっかく貯めたお金を使わずに亡くなる。それじゃあ『何のためにお金を貯めていたの?』って。まずは健康なうちに自分が本当にやりたいことって何なのか、何でもいいから書き出すんです」

ポイントは、近い将来やりたいことと、遠い将来やりたいことに分けて書くこと、と山口さんは言います。

「お金を考えることは人生を考えることなんです。やりたいことを書き出して整理することで、やりたいことに対して、何年後までにどれぐらいお金が必要だな、といったことまで考えられるようになります」

2.老後に必要なお金「自分編」を作ろう

図解:老後に必要なお金

老後にいくら必要なのか、図解で説明します。

まずは長方形を書きます。必要なのは生活費と老後に受け取れる年金。そしていつまで働くかを決めて書き込みます。縦軸は1カ月に必要な生活費、横軸は60歳から100歳までの年齢です。

例えば、1人で生きていく場合、75歳まで働くとして、毎月の生活費に必要な15万円は自身の労働で賄います。75歳以降は年金+αの収入、合わせて15万円が生活費。仮に年金が10万円だとしたら、月々5万円足りません。12カ月で60万、100歳まで生きようと思うと残りは25年なので、1500万円足りない計算になります。

これが夫妻の場合や自営業の場合になるとそれぞれ条件が違ってくるので、自分に合わせた図を描いて老後のお金を知ることが大切です。

リスクを抑えた資産形成 新NISAと個人向け国債の活用術

新NISAのメリット

3.新NISAのつみたて投資枠を活用

資産形成の準備ができたらいよいよ投資へ。最近話題の新NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益にかかる税金が非課税になる節税制度。例えば、投資で得た利益が10万円ある場合、通常は税率20.315%が課税されるため、手元に残るのは7万9685円。しかし新NISAを利用すれば、運用益10万円をまるまる受け取れます。

さらに、生涯1800万円の投資額までの利益が非課税。ただ一度に1800万円投資できるわけではなく、年間の限度額が決まっています。枠には2つの枠があり、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円あります。中でも、投資初心者におすすめなのがつみたて投資枠。投資はお金がないとできないイメージを持っている人も多いですが、つみたて投資枠であれば少額からでも投資できます。

金融機関によって最低積立投資額は異なりますが、主要なネット証券では100円から積立投資可能です。

月々積み立てるお金はどのように用意すれば良いの? 

資産形成のステップ

「資産形成は土台が大事」と話す山口さん。月々積み立てるための3つのポイントを聞きました。

1. 流動性のある普通預金に預ける
2. 5年以内に使うお金+αを定期預金や元本割れしない個人向け国債に投資する
3. 資産を増やすステップとして積極的にNISA口座で運用する

資産形成には他にも年金制度の「iDeCo」がありますが、「続けているだけでもリスクもある 」といいます。

「iDeCoは60歳に向かって掛金を積み立て資産形成する年金制度です。ただ60歳までは何があってもお金を引き出せません。お金に余裕があるという方には良いかもしれませんが、 途中でお金を引き出せないことに不安を感じる方にはおすすめしません」

4.元本割れしない資産を活用

個人向け国債

元本割れしない資産でおすすめなのが「個人向け国債」。国債とは国が発行する債券のことで、お金を借りるときに発行する借金の“借用証書”のようなものです。つまり、「国債を買う」ことは、「国にお金を貸して、その証拠に借用証書を受け取る」こと。投資の見返りに得られる利子は半年ごとに支払われ、元本は満期になると戻ってきます。この利子と元本の支払いは国が責任をもって行うため、安心です。さらに、実勢金利が低下しても、年率0.05%の金利は最低保証してくれます。

山口さん:
「普通預金にお金を預けておくと、人は油断するんです。例えば『500万円ある』とか『100万円貯まった』となると、自分のために『ご褒美でこれ買おうかな』となりますが、個人向け国債に投資しておくと、普通預金の残高には反映されず、全く別のお財布に入るので、確実に使わずに取っておけます」

50代から始める資産形成 まずは行動を起こそう

ファイナンシャルプランナー 山口京子さん

新NISAのつみたて投資に個人向け国債、どちらも50代からすぐに始められる資産運用です。世の中の景気の動きに一喜一憂しない“ブレない投資”を望むのであれば、まずはしっかり土台作りをした資産形成が大切。普通預金という財布に貯めて、第2の財布として堅実に増やせる定期預金や個人向け国債を利用。あとは新NISAでつみたて投資を選べば、リスクが限りなく少ない「ほったらかし投資」で老後も万全です。

■山口京子さん
愛知県名古屋市出身、金城学院大学卒業。ファイナンシャルプランナー。フリーアナウンサーからお金好きが高じ、2000年よりファイナンシャルプランナーに。プライベートでは、マイホーム購入後、持ち前の貯めワザにより住宅ローンを2年で完済。テレビ出演のほか、「KOKUSAIには愛がある in あいち」イメージキャラクターに就任。新刊「お金も人生も薔薇色!老後計画」はじめ著書多数。

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