春闘 トヨタ自動車の”満額回答”に大きな波及効果 大手企業から高水準の回答

物価高のなかで迎えた春闘が「ヤマ場」を迎えています。12日は大手企業の集中回答日。トヨタ自動車をはじめ、東海3県でも高水準の回答が相次いでいます。
食品やサービスで相次ぐ「値上げ」
物価高騰のなか、大きな期待がかかるのが春闘の「賃上げ」です。
東海3県では自動車部品大手のデンソーやアイシンが異例の早期決着で労働組合の要求に「満額回答」をしています。
そして12日、回答を明らかにしたのが…。
「総額は要求通り満額回答です」(トヨタ自動車総務人事本部 東 崇徳本部長)
トヨタは、労働組合が求めた「職種や職位ごとに月額9950円から2万4450円の賃上げ」と「7.6か月分」の年間一時金(ボーナス)の要求に対し、会社が支払う「総額ベース」では「満額回答」するとしました。
ただ、具体的な支給の内容は今後、労使で話しあって決めるとしています。
社会全体へ波及効果が

各社で相次いだ高水準の回答。トヨタグループの労働組合でつくる全トヨタ労連は「波及効果」に期待を寄せます。
「社会全体で大幅な賃上げに取り組む中で、影響力ある労使が、社会全体やティアの深いところにメッセージを発信していくのは大きな波及を生み出していくものとだと認識している」(全トヨタ労連 吉清一博事務局長)
過去最高額の回答も

この地方では、自動車業界以外でも、高水準の回答が続いています。
JR東海は基本給を底上げするベースアップ分で8000円を引き上げるほか、定期昇給や諸手当の増額・新設などをあわせ、1万8900円の賃上げを実施すると発表。(=賃上げ率5.5%)
これは過去最高額だということです。
日本ガイシはベースアップ分の1万8800円を含め、2万4000円の賃上げをすることで労働組合と妥結しました。
こちらも過去最高額だとしています。(=賃上げ率6.5%)
また、三菱電機も1万5000円のベースアップを回答するなど、各社で大幅な賃上げが続いています。
賃上げの機運に最大限応えようと

労働組合の中央組織・連合は今春闘の賃上げ目標を去年と同じ「5%以上」とする一方、大手との賃金差が広がる中小企業では「6%以上」を求めています。
「日本社会が求めている賃上げの機運に最大限応えようという思いがこの結果に至っていると受け止めている。さまざまな業態のなかで人材確保の観点から賃上げをしないといけないというところからプラスにつながっていく。先行組合として一定の結果を出すことが重要ではないか」(連合愛知 可知 洋二会長)