
名古屋のお米屋さんでも備蓄米の販売始まる 岐阜・土岐市は全世帯に「おこめ券」を配布へ

大手コンビニの店頭にも並び始めた備蓄米。ただ、コメ価格は高止まりし、三重や岐阜は全国トップクラスの水準に。個別で家計の支援を始める自治体も出ています。

「古古米」や「古古古米」の備蓄米が急ピッチでスーパーやコンビニに並ぶなか、名古屋市内のコメ店では…。
名古屋市昭和区の「お米の服部」は、政府が一般競争入札で売り渡した2023年産の備蓄米を4日から販売し始めました。
4日、店に届いたのは2023年産の古米。江藤前農水大臣の際、一般競争入札で放出された備蓄米です。
「古米臭って俗に言われるような香りはないですね。おいしいということは率直にお伝えしても大丈夫そうですね」(お米の服部 服部純 代表)
今回届いた「古米」の備蓄米は、5kg3480円で販売するといいます。
訪れたお客さんも興味を示していました。
「さっき試食したんですけど、全然味も変わらない」
「1人暮らしで買うのも結構ためらってしまう。コメを安く買える機会があればうれしい」(試食した客)
服部さんが一般入札で売り渡された備蓄米を取り扱うと決めたのは、5月中旬ごろのこと。
約2週間後には小泉農水大臣が「5kg2000円前後」での販売を見込む「古古米」や「古古古米」の備蓄米放出を発表しましたが…。
Q.2000円台のコメがコンビニでもスーパーでも販売されているが
「ちょっと脅威に感じる部分はあります。入札の方の備蓄米に、興味を示されない可能性も」(服部さん)
三重県のコメ価格は全国で最も高い

ただ、コメ価格の先行きはまだ見通せません。
農水省が公表した5月29日時点の「備蓄米を含むブレンド米」の税抜き店頭価格の中央値は、最も高い三重県と静岡県が5kg4280円。
最も安い北海道とは1000円を超える差がありました。
また、愛知県は3580円、岐阜県は4170円となっています。
農水省は「コメの産地から離れた場所は輸送費などがかかり、高くなっている可能性もある」としています。
土岐市は全世帯に「おこめ券」配布へ

コメ価格が高止まりするなか、この地方の自治体では新たな動きも…。
岐阜県土岐市は市内のすべての世帯にあたる2万4791世帯に「おこめ券」10枚、計4400円分を配ることにしています。
「コメの価格が上がっている話があり、その実感があるよということで。土岐市として市民の助けになることはないかと思い、おこめ券の配布を決めた」(土岐市 政策推進課 最能崚介さん)
予算は約1億3000万円で、国の物価高対策の臨時交付金を財源にあてるといいます。
おこめ券に市民は歓迎

市民からは…。
「ありがたいことですよ。完全にありがたいこと」
「コメは基本毎日食べるので、これだけ高いと家計に響く。毎日ごはんが食べられると思うと助かります」
土岐市によると、今回の「コメ価格高騰」をめぐって、おこめ券を配るのは岐阜県では初。早ければ来週から届き始めます。
「急ピッチで取り組んでいる。コメの価格高騰はずっと続いているので、市民が少しでも安心して生活ができるようになっていただければ」(最能さん)