「輸入米買う?買わない?」街で調査 備蓄米放出という政府の“ブレ”に翻弄され…外国産米を大量入荷した卸売業者の苦悩

小泉農水大臣が肝いりで進めた随意契約による備蓄米の放出の陰で、店頭に並び始めているのがアメリカ産などの外国産米。
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そこで!
(大石邦彦アンカーマン)「名古屋栄で聞きます。あなたはどのコメを買いますか?国産米・どちらでもいい・外国産米…の3択でアンケート調査です」
■国産米を選んだ人
「国産の方がもっちりしていて、おいしい」
Q.外国産米を食べたことはある?
「コメが一時期不足した時に抱き合わせで。あの時に食べたきり」
Q.30年前の『平成の米騒動』の時、おいしかった?
「おいしくなかった、パラパラで」
「絶対に国産ですね」
「毎日だからやっぱり、おいしいコメが食べたい」
やはり、外国産米の安全性を不安視する声や30年前の「平成のコメ騒動」の際に食べたタイ米などの苦い記憶が蘇るといった声が聞こえてきました。
外国産米を選ぶ人の意見は…
一方で、外国産米に抵抗がない人の意見は?
■外国産米を選んだ人
「一番安いアメリカ米を買っている」
「今カリフォルニア米が気になっているが、タイ米でも問題はないかな」
Q.「平成の米騒動」の時にタイ米がおいしくないとの話もあったが?
「工夫してどう食べようかと考えた。それをもう一回やろうかな」
「どのコメを買いますか?」の結果は…。
●国産米:51人
●どちらでも:3人
●外国産米:5人
(大石)「圧倒的に国産米が人気でしたね。『安全だから』、『安心だから』という理由が多かったですね。一方で外国産米は5人でしたが、実際はどうなんでしょうか」
この外国産米を春以降に大量に入荷したのが、岐阜市にあるコメの卸売業者「ギフライス」です。
政府が備蓄米を放出 政策の方針のブレに卸売業者は?
(ギフライス 恩田喜弘社長)
「こちらがスーパーなどで販売予定の台湾産のコメ」
Q.何トン入荷した?
「(台湾米は)80トンくらい」
さらにギフライスはアメリカ産のカルローズ米も入荷しました。
このように外国産米を大量に入荷した理由は?
(恩田社長)「当初は備蓄米を売却する話はなかったので」
政府は去年秋に、新米が流通すればコメ不足の問題は解決すると言い、備蓄米の放出はしないという方針でした。
しかし、小泉大臣によって外国産米よりさらに安い古古米などの備蓄米が市場に出回ることに。目論見は外れ、倉庫に抱える大量の外国産米が売れ残らないか心配だと話します。
(恩田喜弘社長)「こうした外国産米と緊急で放出された備蓄米、両方を販売していかなきゃいけないので大変です」
実際に「外国産米」を試食してみると…
では、ギフライスが仕入れたアメリカの「カルローズ米」と「台湾米」を試食します。
■アメリカ産・カルローズ米
(大石)「ちょっとだけ日本米より、パサっとしている感じはする」
(恩田社長)「全然いけると思います」
■台湾米
(大石)「こっちの方が粘りがある」
(恩田社長)「アメリカ米より、ありますね。甘みはアメリカ米の方がある」
(大石)「ちょっと淡泊な味」
政府の方針のブレに翻弄され、入荷せざるを得なかった外国産米。ニッポンの銘柄米が高騰するかげで外国産米の未来はどうなっていくのか?
仮に国内に定着すれば、日本の米農家の未来にも大きく影響します。