
オーバーツーリズム対策で駐車料金値上げ 空港では放置されたスーツケース 外国人観光客でにぎわう観光地・空港

観光地が多くの外国人観光客でにぎわう中、去年の観光客の半数以上が外国人で、初めて日本人を逆転した岐阜県白川村の世界遺産“白川郷”では今月からある変化が。
松原正典記者
「この村営の駐車場の料金が、倍以上に値上げされました」
村が運営する駐車場3か所の料金を、倍以上に値上げしたのです。
大型車・マイクロバスは3千円から1万円に、普通車・軽自動車は、千円から2千円に、二輪車・原付きバイクは200円から500円になりました。

白川村 観光振興課 小瀬智之主幹
「村が運営する観光施設、観光案内所とかお手洗いになるんですけどもこちらの維持管理経費がどんどん上がっている」
「こういった費用を捻出するにあたり値上げをさせてもらうことに」
他にも、冬の時期の除雪作業や交通誘導員の配置など様々な経費がかさみ、まさにオーバーツーリズム状態で、その分を駐車場料金でまかなえればというのです。
ただ、同じ額を日本人観光客も払わなければならず…
千葉からの観光客
「2000円はちょっと高いですよね」「ただとめる場所がないから致し方ない」
和歌山からの観光客
「倍というのはビックリしますがどうかな…」「安いほうがいいですけど(村も)お金が必要だとは思うので」
白川村 観光振興課 小瀬智之主幹
「世界遺産集落に関しましては、住民が住んでいるエリアということもありまして私たちは観光と生活の両立ということに特に気を配っている。そういった中で観光客の皆さまがたにもご協力いただいて、いい観光地づくりを目指していきたい」
さらに空港内では多くの外国人観光客が引いて歩くスーツケースでこんな問題も…
中部空港警察署 丹羽直希副署長
「こちらが空港内で回収されたスーツケースの一部です」

テープで固定しないと閉まらない壊れているものもあれば、比較的きれいな状態のいいものも。
実は今、こうしたスーツケースの“無断放置”の問題が深刻化しているのです。放置されるケースの多くは中身が空だということですが、その理由は…
中部空港警察 丹羽直希副署長
「外国人観光客がこちらに来てお土産等を買われて、新しいスーツケースに詰め替えて、いらなくなったものを放置する」
中部国際空港内で放置されたスーツケースの数はコロナ禍以降、右肩あがりで去年は85件でした。過去には圧力鍋やクーラーボックスが放置されていたこともあるといいます。

中部空港警察 丹羽直希副署長
「(スーツケースなどは)ひょっとしたら爆発物の可能性もあるので、不審物として警察が現場対応します」
「本来警戒すべきエリアの警戒力がそがれてしまう」
スーツケースひとつの安全確認にかかる時間は約3時間で通常業務に支障をきたすことが大きな問題点だといいます。
警察などは対策として、中国語や英語表記のステッカーで利用客に注意喚起をしています。
中国人観光客
「(放置する人がいることを)知っています」
「古いスーツケースを置いて新しいものを買って行くんでしょ?」
「よくないですよね」
さらに周辺のホテルでも放置の事例が相次いでいて、ホテル側は有料の引き取りサービスなどで防止に努めているということです。