相互関税の食い違い、アメリカ側が修正へ 飛騨牛の輸出関係者「少しは安心したが…」

税率の扱いをめぐり、日本とアメリカの間で食い違いが生じていた相互関税。
牛肉も41.4%ではなく26.4%になる見通しで、東海地方では飛騨牛の輸出促進への期待が高まる中、不安の声も出ています。
岐阜県の特産「飛騨牛」を扱うJA飛騨ミート。相互関税の混乱を受け、8日に急遽開かれた農林水産省の説明会に参加したといいます。
「二転三転というふうで関税率の報道がされたが、最終的には26.4%だったので、その部分については安堵というか、41.4%になった場合のことを考えると少しは安心した」(JA飛騨ミート 溝脇実央 参事)
飛騨ミートでは、2010年に食肉処理施設が海外輸出用に認可されて以降、輸出が拡大していました。アメリカ向けの状況は…。
「昨年と比べると非常に関税の影響もあろうかと思うし、7月末の実績で、重量換算で48.3%ということで、5割を下回っている状況」(溝脇参事)
牛肉の関税をめぐる混乱はいったん落ち着きそうですが、気になるのは安心して輸出を続けることができるかだといいます。
「情報がタイトに入ってくるわけでもないので、やっぱり情報収集が大変かなと考えている。(アメリカの)は大きなマーケットなので、これはやはり大事に取り組んでいきたいと考えている」(溝脇参事)
相互関税はどうなる?

今回、 日米間の合意に沿わない大統領令が出されたのが、幅広い品目にまたがる相互関税です。
日本政府は7月下旬の日米合意で、2つの特例条件で合意したと説明しました。
1.もともとの関税が「15%未満」なら「一律15%」に
2.もともとの関税が「15%以上」なら「相互関税は適用しない」
牛肉でいえば、もともとの関税は26.4%です。条件2にあてはまって、相互関税は適用されないはずが、一律で15%上乗せする大統領令が出て、混乱が広がりました。
訪米した赤沢大臣がアメリカの閣僚と協議した結果、アメリカ側が日米合意通りに修正するとの表明があったということです。
また、27.5%の関税が適用されたままの自動車関税についても、15%への引き下げが実現する見通しだということでした。
ただ、赤沢氏は大統領令が修正されるタイミングについては「できるだけ早く」などと言うのみにとどめていて、不透明感は残ったままとなっています。