
備蓄米の店頭価格が決まった仕組み 入札方式と随意契約の違いがカギ 今後の新米価格は一体どうなる?

今、いろいろなコメが販売されていますが、その値段について詳しく見ていきましょう。
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それでは今後の予測も含めて、お伝えしていきます。まずは注目されている備蓄米から。入札方式だった2024年産と2023年産のコメを見てみますと、これは元々の入札価格が5キロで約1755円だったわけです。これが集荷業者・卸売り業者・小売り業者、この3つで約1300円の経費がかかって、店頭では3000円台前半で消費者に届いたことになります。今回の随意契約の場合は、小泉大臣が「店頭で2000円程度で販売します」と言いました。すると経費は大体1100円くらいなので、これを差し引いていって、5キロ918円程度と売り渡し価格が決まってきた形です。
新米の場合は農家から消費者に届くまで、3つの流通ルートがあります。1つ目はJAがコメを集めて卸売り・小売りを通っていくルートで、以前は約9割を占めていたのですが、どんどん減って2023年で約5割で、今はもっと減っていると言われています。
2つ目はJA以外がコメを集めるルートで、JAより高く買い取りますよという業者が増えてきているわけです。そして3つ目は農家が直接、消費者にインターネットなどを通じて販売しているケースで、去年の夏頃から急増しています。
では、それぞれのルートでコメがいくらで取引されるのか調べてみました。農家からJAへ出荷されるルートの場合、新潟産のコシヒカリで見ますと農家とJAの相対取引価格が60キロで2万5290円、5キロに換算すると2100円くらいですから、そこまで高くありません。JA以外の業者へ出荷されるルートでは、例えば小売り業者がコメがなくなったので追加発注させてくださいと頼む場合、スポット取引価格といいますが、今は在庫がないので発注する度に購入する金額が高くなっていて60キロで5万円を超えてきます。5キロに換算すると4200円くらいですから、この価格が全体の価格を引き上げているということなんですね。
では農家の考えている適正な店頭価格は3000円程度が理想で、これ以上高くなると米離れが進むので心配しているということなんですが、この流通も含めて今後どう変わっていくのでしょうか?