明らかになった“巧妙な偽装工作”…携帯販売会社による融資金詐欺事件 関連会社でも虚偽の決算報告書を作成
2024年に突然閉校した愛知県の専門学校の実質的な親会社の元社長ら3人が、粉飾決算で銀行から不正に融資を受けたとして逮捕された事件で、巧妙な偽装工作が明らかになりました。 携帯販売会社「アミックテレコム」の元社長・青木隆幸容疑者(68)、元専務の戸田直樹容疑者(50)、財務本部長だった荒井淳一容疑者(49)の男3人は、黒字と偽った決算報告書を銀行に提出するなどし、融資金1億9000万円をだまし取った疑いで逮捕・送検されました。 3人は、10以上の銀行にそれぞれ黒字を装った虚偽の決算報告書を作成していて、だまし取った融資は数十億円にものぼるとみられています。 警察は3人の認否を明らかにしていませんが、捜査関係者への取材で、3人のうち、戸田容疑者荒井容疑者は、逮捕前の任意の聞き取りに対し、容疑を認める説明をしていたことが新たに分かりました。 さらに、巧妙な偽装の手口も明らかになりました。捜査関係者によりますと、首都圏で携帯電話を販売していた関連会社でも、資産を水増しするなどの虚偽の決算報告書を作成していて、粉飾決算の発覚を免れ、継続して融資を受ける目的があったとみられています。 アミックテレコムは数十億の融資をだまし取ったとみられていますが、資金繰りに行き詰った末、28億円もの負債を抱え、2023年に倒産しました。 アミックテレコムが実質的な親会社として出資していた、小牧市の愛知中央美容専門学校は資金繰りが苦しくなり、新入生を受け入れて間もない2024年5月に閉校しました。彼らの偽装工作は、夢を追う多くの生徒にも影を落としました。 裁判所に提出した「破産申立書」で、青木容疑者は粉飾決算について自らの関与を否定しながらも、銀行との交渉は主に自分が担っていたとしています。 <破産申立書> 「私が直接関与していないので正確な開始時期は判明していませんが、黒字の決算報告書となるように不正経理を行い、粉飾決算をしていたことが判明しました」 警察は別の銀行から受けた融資についても不正がなかったか調べています。