
冷やし焼き芋やトルコアイスなど…急な暑さで人気商店街も“シフトチェンジ” サングラスの売上が一気に伸びた店も


4月もまだ下旬を迎えたばかりですが、早くも「熱中症」に注意が必要です。この週末、季節外れの暑さで病院、飲食、ファッションの店などで売れ筋に変化が表れています。
■季節外れの暑さでクリニックに大勢の「熱中症患者」
東京都北区の「いとう王子神谷内科外科クリニック」には2025年4月20日、「熱中症」の患者が次々と訪れたといいます。 いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長: 「例年ですと、複数の熱中症の患者さんが来るというのは、だいたい5月の下旬から6月くらいですよね。今年はとてつもなく早いタイミングで熱中症の患者さんが増えている」 この週末、列島各地には季節外れの暑さに見舞われました。4月19日は最高気温が、群馬県館林市で7月上旬並の30.3℃、岐阜県多治見市で6月下旬並の30.0℃、名古屋市は7月上旬並の29.5℃となりました。

そしてきょう4月21日、名古屋では最高気温27.0℃を記録し、岐阜県の下呂市金山で29.1℃、郡上市八幡で29.0℃など、7月上旬並みの暑さになったところもありました。
■暑さの影響で焼きいも店は「冷やし」も…名古屋の人気商店街「大須」
突如やってきた季節外れの暑さに、名古屋市中区の大須商店街では、様々な『暑さシフト』をしていました。 焼きいも店の「大須つぼ焼きいも 氏田屋」は、180℃にもなるという壺で焼くいもが人気ですが、この日は「シフト」していました。

3月から始まった「冷やし焼き芋(650円)」のほか、中にアイスクリームが入った「芋モンブラン(1000円)」を販売し、お客さんを喜ばせていました。

客: 「冷たいですね。助かります、さっぱり食べられて」 大須つぼ焼きいも氏田屋の店長: 「先週はあったかいお芋ばっかりでした。(これからは)6:4か7:3くらいで冷たい方が売れます」 暑そうなキッチンで焼き上げるケバブ店「メガケバブ」も、急な暑さで売れ行きに変化が出始めているようで、伸びる「トルコアイス(400円)」を販売。

店員: 「ケバブもよく売れるけど、アイスが一番売れるかな」 暑さで売れ筋が変わるのは、飲食店の宿命のようです。 チーズと生クリームと卵のみで焼き上げる「バスクチーズケーキ(580円)」が看板商品のスイーツ店「pause pause」でも、売れ筋に変化があるといいます。

pause pauseの担当者: 「(19日・20日と)チーズケーキよりもアイスクリームの方がよく出ていて、アイスクリーム屋さんかなと思うぐらい。いつもの倍以上は出ているかな」 この店でもアイスが人気になっていて、プリンを凍らせた「プリンアイス(450円)」の売れ行きが好調です。

客: 「インスタで知りました。暑くて、冷たいものが食べたかったので、珍しいプリンアイスがあったのでこれに即決しました」
■アパレルショップではマネキンが半袖に 呉服店では浴衣を販売
暑さによるシフトチェンジは食べ物だけではありません。アパレルショップでは、マネキンが半袖に衣替えしていました。

SPINNSの後藤綾音さん: 「例年だと、ジャケットだったりとか羽織る系のアイテムがGWにかけて売れていく商品になるんですけど、いつもより早いタイミングで半袖Tシャツが売れてきているなというのはあります」

長袖のスウェットなどは、店の奥のコーナーですでにセール品になっていました。半袖Tシャツなどに加え、サングラスの売上が一気に伸びているといいます。

「中野呉服店」では、早くも浴衣が店頭に並べられていました。かつては5月の大型連休から売り始めていましたが、ここ数年の猛暑で年々早くなり、4月の中ごろには店頭に並べるようになったといいます。

中野呉服店の担当者: 「(客からも)聞かれますしね、インバウンドの関係もあって。なかなか追いつかないですけどね、冬のものも売りたいので」 季節はずれの暑さがもたらす商店街のシフトチェンジ。売れ筋の商品が、近づく初夏を感じさせます。