大谷翔平選手が活用したメジャーリーグの「産休制度」 ドラゴンズ選手に聞いてみた 制度づくりに前向きな声も

ドジャースの大谷翔平選手と真美子夫人の間に第1子となる女の子が誕生しました。大谷選手は2試合欠場して産休をとったということですが、日本のプロ野球選手にとって、シーズン中の試合を休むことは簡単な決断ではありません。今回、中日ドラゴンズの選手たちに「父親リスト(育児休暇制度)」についての考えを取材しました。
【写真を見る】大谷翔平選手が活用したメジャーリーグの「産休制度」 ドラゴンズ選手に聞いてみた 制度づくりに前向きな声も
(若狭敬一アナウンサー)
取材では、まず4人のお子さんを持つ大島洋平選手に、最大3日間休める「父親リスト」制度があったら使うかを質問しました。
大島選手は「シーズン中は使わない、立ち会わないと思います」と回答。その理由として「試合を休んで他の人にチャンスを与えるわけにはいかない」と語りました。
特に若い頃は、数日欠場しただけで他の選手にポジションを奪われる可能性があるとのこと。ただ、「確固たる地位を築いて少々休んでも戻って来られるような、大谷選手のような立場なら使います」という意見が印象的でした。
育休制度に前向きな声があがる一方…
大島選手は長男がアマチュア時代に誕生し、出産に立ち会うことができました。プロ入り後は3人の女の子が生まれていますが、シーズン中の8月に生まれた長女と5月に生まれた三女の出産には立ち会えず、シーズンオフの1月生まれの次女には立ち会えたとのことです。
大島選手は「父親リスト」という制度について、「制度があれば使う使わないは別として、選手が産休について考えることになるので考える幅が広がる」と述べ、制度づくりに対して前向きな姿勢を示しました。
また、独身の髙橋宏斗投手にも意見を聞いたところ、「まだ僕は想像もできないですが、すごくいい制度だと思います。使うかどうか分かりません」と回答。大島選手と似た考えで、「休んだその数日、『2軍からまた調整してこい』と言われるなら使わないと思う」とのことでした。
柳投手が出産に立ち会えた背景
一方、柳裕也投手は「100%僕は使います」と明言。男の子2人のお子さんがいて、2人とも出産に立ち会えたそうです。注目すべきは、6月のシーズン中に生まれた次男の出産にも立ち会えたということです。
柳投手は先発ピッチャーで、週に1回登板し、週1日の休みがあります。先発投手は残りの5日間、1回の登板のための大切な練習をしており、実質的に週7日のうち6日間は働いているのです。
次男の出産予定日が大事な練習日と重なった際、当時のピッチングコーチ(現在は2軍監督)の落合英二さんに「立ち会いたい」と相談したところ、「何日休んでもかまわない。大切なことなので行ってきなさい」と背中を押され、無事に立ち会うことができたとのことです。
取材を通じて、上司の考え方にも影響されることが感じられました。産休・育休に関しては、「取るべき」「取らないべき」ではなく、取りたい人が取れるような環境がベストだと思います。