
MLBドジャース戦チケットで9万2000円を払った瞬間に音信不通…身分証の画像が送られてきても信用できない SNS上のチケット詐欺横行か

3月18日、東京で行われるメジャーリーグの開幕戦、カブス対ドジャースの一戦が注目を集めています。こうした中、カブス対ドジャースのチケット代を騙し取られるトラブルが起きています。
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(お笑い芸人 斤神ヤジリンさん)
「チケットの争奪戦がすごかったじゃないですか。発売の時間にログインしても20万~30万待ち。その段階で席は足りないですから」
東京都に住むお笑い芸人、斤神(ぱんのかみ)ヤジリンさん(46)もチケット争奪戦に参加した1人。大谷選手を見たい一心で応募した結果は…落選。そこで次にチェックしたのがチケットの売買を仲介するサイトですが…。
(ヤジリンさん)
「一番安い6000円・7000円のチケットでも25万円からとかなんですよ」
実際にサイトを見てみると…
(越智駿平記者)
「1階席ネット裏のチケットは…200万円になっています」
バックネット裏の特等席はなんと1枚200万円。諦めきれないヤジリンさんが手を出してしまったのが…。
(ヤジリンさん)
「『ドジャース』『チケット』で検索をかけまして…」
SNS。同様に検索してみると、「チケット譲ります」という書き込みがずらり。こうした書き込みのひとつに連絡したところ、悲劇が。
9万2000円を“持ち逃げ”される
(ヤジリンさん)
「『定価で譲れます』ということだったので、4枚分で9万2000円という話で」
PayPayで先に支払うと、チケットをコンビニエンスストアで発券するのに必要なIDを送ると言われ、支払いをしたところ…
(ヤジリンさん)
「PayPayを『受け取りました』となった瞬間に連絡したら、そこから音信不通」
アカウントをブロックされ、9万2000円を“持ち逃げ”されたといいます。
多くの被害者が語る「信じてしまった理由」
顔の見えないSNSの相手をなぜ信じてしまったのか…
(ヤジリンさん)
「免許証の提示があったんですね。それを見せられたら信用してしまって」
取材を進めると、被害を訴えている人の多くが身分証が送られてきたことで信用してしまったと話しました。
関東に住む女性が、アイドルのコンサートのチケットを購入しようとした際に送られてきたマイナンバーカードの画像。女性が5000円を支払った直後に音信不通になったといいます。
マイナカードの持ち主に話を聞くと…
マイナカードの住所は「愛知県」。CBCは実際にこのマイナカードの持ち主に話を聞くことができました。
(愛知県に住む男性)
Qこういう事案に関わったことはありますか
「全くないです」
男性は「マイナカードは本物だが、女性にチケットを売ろうとしたことはない」ときっぱり。では、一体なぜ…
持ちかけられた“身分証の交換”
(愛知県に住む男性)
Q何の目的で(マイナカードを)撮影した?
「ぼくがライブに行きたくてアプローチをかけてきた人がいて、ぼくもそういう詐欺に一度遭っていて、その時に『双方 身分証を送り合えばいい』と提案されて(送ってしまった)」
男性も同様に去年12月、コンサートのチケットを買おうとSNSを使ったことがあり、そこで相手から「身分証の交換」を持ち掛けられたといいます。そこで送ってしまったマイナカードが悪用されたのではないかと話します。
(愛知県に住む男性)
「身分証はいろいろ作れてしまったり、手続きができてしまうと思うので、認識を改めなければならないと感じる」
10代大学生「安さにつられてお金を渡してしまった…」
後を絶たないSNS上でのトラブル。
(大学生 ケイさん)
「『私が手数料を負担します』と言われて、安さにつられてお金を渡してしまった」
千葉県に住む大学生のケイさん(仮名・10代)も、SNSの個人間売買に手を出してしまったひとり。3月2日、コンサートのチケット代1万3000円を支払ったところ音信不通に。
(大学生 ケイさん)
「詐欺は詐欺だが引っ掛かってしまった自分も悪いと思う」
大学生が騙されたアカウントにメッセージを送ってみると…
ケイさんが騙されたと話す「みう」というアカウント。その後、カブスとドジャースの開幕戦のチケットを販売すると投稿していました。メッセージを送ってみると…。
(SNSでのやりとり)
「お譲りしますよ」
しかし、値段を聞いた直後…。
(記者)「あっ今、アカウントが凍結されました」
記者が接触を試みた他のアカウントも、運営元から「規約違反」などと判断され、数日後には多くが使えない状態に。
「SNSの個人間売買には絶対に手を出してはいけない」
音楽やエンタメ業界で組織するチケット適正流通協議会の担当者は、SNSの個人間売買には絶対に手を出してはいけないと警鐘を鳴らしています。
(チケット適正流通協議会 石川篤幹事)
「詐欺行為がSNS上では横行しているので、本当に危険な場所だということをしっかり認識していただきたい」