埼玉では道路下の空洞露わに…名古屋でも過去“下水道管の破損”が原因とみられる陥没事故 市が講じている対策は
2025年1月28日に埼玉県で起きた大規模な道路陥没事故では、下水道管の老朽化が原因とみられています。同じような陥没事故が過去に起きている名古屋では、小型カメラなどを使った下水道管の調査がすすめられています。
■今も運転手は見つからず…下水道の破損が事故原因か
埼玉県八潮市の県道で28日午前10時前、道路が陥没してトラックが転落した事故では、74歳の男性運転手がいまも取り残されたままです。
29日未明、トラックが持ちあげられましたが、周辺の道路が新たに陥没し、店舗の看板が穴に飲み込まれました。
30日午前2時半ごろには、2つの穴の間が完全に崩落して1つの大きな穴になりました。 周辺では、ガス管が損傷する可能性があるとして、半径200メートル圏内の住民に避難が呼びかけられるなど、影響が広がっています。 専門家によると、今回の事故は、下水道の破損個所から土砂が流れ込んだことでできた空洞にトラックが転落したとみられます。
名古屋の街で話を聞くと、不安の声があがりました。 街の人: 「なんであんなふうに道路に穴が開いたのかすごく不思議、怖い。普段運転しているし、急に落ちたら…」 別の人: 「不安には感じていますけど、われわれとしては調べようもないしどうしようもないので。日本各地にああいった状況の所が多々あるんじゃないかなと」
■人が入れない下水道管には…「小型カメラ」や「探査車」で補修
名古屋市内では2012年、名古屋栄三越の前の歩道が、深さおよそ2メートル、縦横およそ3メートルにわたり陥没するなど、東海地方でも下水道管の破損が原因とみられる陥没事故がたびたび起きています。
名古屋市は1月30日、中区の金山駅近くの現場で、52年前に埋められた陶器製から衝撃や腐食などに強い塩化ビニル製の下水道管に入れ替える作業をしていました。下水道管の耐用年数は50年といわれています。
名古屋市上下水道局の担当者: 「汚水が毎日流れているものですから、硫化水素など(の腐食)で下水道管の強度が失われていくということがございます」 下水道管の老朽化の調査では、人が入れないサイズの下水道管に自走する小型カメラを入れ、カメラを動かしながら割れやずれがないかチェックしています。名古屋市では2023年度、およそ120キロの長さを調査したといいます。
また、探査車を使って道路の下に空洞ができていないかを定期的に調査しています。電磁波の反射を利用して異常を調べ、補修を行っています。
名古屋市上下水道局の担当者: 「全てを防ぐことは確かに難しいんですけれども、陥没が起こりますと皆さまへの影響が大きいですので、そのようなことがないように日々、維持管理や調査に努めている」