道路陥没の危険 主な原因は「下水道管の老朽化」4分の1が耐用年数過ぎている名古屋市 取り換えには限界 対策どうする?
突然起きる「道路の陥没」。その原因と対策方法を調査しました。
【写真を見る】道路陥没の危険 主な原因は「下水道管の老朽化」4分の1が耐用年数過ぎている名古屋市 取り換えには限界 対策どうする?
2016年、名古屋市千種区の道路に長さ2m、幅2m、深さ1.5mの穴が出来ました。
また、2017年には、名古屋市中区・錦でも長さ20cm、幅20cm、深さ25cmほどの陥没が発生しました。
主な原因は、やはり「下水道管の老朽化」でした。
(名古屋市上下水道局 氷室敦さん)
「全体で50年以上過ぎた(下水道)管が、4分の1ほどある」
名古屋市上下水道局によりますと、市が管理する下水道管の総距離は、約7900kmで、この4分の1が、すでに耐用年数とされる「50年」を超えています。
しかし、限られた予算で対処するためには、毎年「45km」ずつしか下水道管の取り換えはできません。そこで…
下水管渠の中に「テレビカメラ」を走らせる
(名古屋市上下水道局 氷室敦さん)
「(工事より)前に、テレビカメラを下水管渠の中を走らせることによって、目視により状態の確認をしている」
名古屋市の職員が、下水道管の中に亀裂や穴などがないか目視でチェック。
市は、耐用年数を超えた下水道管の工事の状態を事前に調査し、取り換えの優先順位をつけています。また、取り換える以外にも…
(名古屋市上下水道局 氷室敦さん)
「古くなった下水道管に、プラスチックをはりつけて、新しい管にする工事をしています」
短時間で丈夫な管に!市の“約7割”でプラスチック管を導入
名古屋市では、下水道管そのものを取り換える以外に、管の内側に新たにプラスチック製の管を入れ、約100℃の蒸気で膨らまし、固定するなどの方法をとり入れています。
街中や交通量の多い場所でも、短い時間での工事が可能なことから、現在、市の下水道管工事の約7割がこの方法だといいます。
こうした事前調査や対策で、5cm以上の道路の陥没が、1990年代には年間約500件ありましたが、おととしは150件ほどに減少したといいます。さらに…
名古屋市は、政府が要請した緊急点検の対象外地域ですが、通常行っている特殊な車両を使った道路下の空洞調査に加え、下水道管の腐食具合の臨時の調査なども、自主的に進めていく考えです。