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高齢者や障害者と作る「インクルーシブデザイン」体験会に記者が参加 “不便を楽しむ”視点を学ぶ

メ~テレ
04.04(金)08:00

高齢者や障がい者、外国人など、これまで製品やサービスから除外されてきた多様な人たちを、デザインの段階から巻き込んでいく手法を「インクルーシブデザイン」と言います。こうした考えを元に商品づくりに取り組む企業は、今増えています。名古屋で開かれた「インクルーシブデザイン体験会」に参加し、”デザインの段階から巻き込む”とはどういう事なのか、取材をしてきました。

「インクルーシブデザイン」とは?

ワークショップの様子 主催の1人である久保博揮さん(名古屋・西区 1月)

 「インクルーシブデザイン」の言葉になじみがなくても、「ユニバーサルデザイン」なら、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 2つの違いは企画・設計の起点です。「ユニバーサルデザイン」は開発やデザインの起点が設計者やデザイナーにあります。

 一方、「インクルーシブデザイン」は障害者や高齢者などの当事者に起点があります。企画設計の段階からマイノリティを含むことで、誰にとっても使いやすいモノやコトの開発を目指すことができます。

 商品やサービスの開発に重要となるのが「リードユーザ」の存在です。高齢者や障害者など生活に不便を感じている人々の中で、その解消に向けて創意工夫する人々のことを「リードユーザ」と呼びます。

 誰もが高齢になれば体験するであろうことを、「先んじてしている人々」という意味が込められています。

 主催者によると、身近な「インクルーシブデザイン」の事例として、街中で見かけるコンビニATMが知られています。ATMの開発段階から障害者がかかわっていて、インターホンで利用者を支援できるなどの利点があります。

社会に潜む不便を発見

「目的地」にむかって出発

 私が参加したのは、東京や名古屋にオフィスを構える企業「インクルーシブデザインソリューションズ」が名古屋市内で企画したワークショップ。(名古屋・西区 なごのキャンパス)

 テーマは「2030年、誰もが楽しい外出をデザインしよう」でした。「リードユーザ」の日常生活を観察することで社会に潜む不便を発見し、それを解消しようとする、一連の考え方を学ぶことができます。

 この日、ワークショップには3人の「リードユーザ」を含め、12人が参加しました。

 4人ずつ3つのチーム(各チームに「リードユーザ」1人)に分かれ、お題となる「目的地」が設定されます。リードユーザが外出する様子を観察し、新たな気づきを付箋にメモすることが課題とされました。

 私のチームの”ミッション”は「商店街にある100円ショップに買い物に行き、自販機で飲み物を買ってくる」といったものでした。100円ショップはスタート地点から250mほど離れた場所です。

 弱視のリードユーザを観察しながら、疑問点があれば、都度質問をしていきます。指示を読み取り、音声入力で目的地を検索したのち、チーム全員で目的地の100円ショップに向かいました。
 
 

不便を自分ごとに置き換える

「目的地」から戻り、気づいた「不便」を整理

 観察している中で、私が気が付いた点は、視覚障害者が目的地に向かう際、3つの情報が大事になるのでは…ということ。
 
 1.自分の思う方向
 2.コンパスアプリの言い示す方角
 3.マップが読み上げる目的地の方向

 これら3つが揃わないと、進むべき方向を定めることができないのです。マップも複雑な道筋を示すことがあるので、リードユーザは困惑することも多いと話していました。そんな時は、周囲にいる人に助けを求めるといいます。

 約15分かけて店舗に辿りついてからも試練が続きます。入口付近にあるエスカレーターが上り専用か下り専用か、近づいてブザーが鳴るまで気づくことができませんでした。買いたい商品がどの辺りにあるのかもわからず、店員や周囲の客に訊ねることもあるそう。

 会場に戻ると付箋に書いた内容の共有です。模造紙にリードユーザの判断のもと付箋を貼り付け、その不便を自分ごとに置き換えました。

 例えば、目的地がわかりずらい場所にある場合。不便に感じるのは視覚障害者だけではありません。目が見える人にとっても、慣れない土地や入り組んだ場所に目的地がある場合は同じことが言えるのではないでしょうか。

 このように、街で発見した社会課題をチームで話し合い、それをどう解決できるのか具体的に検討していきます。

 誰にとっても使いやすいモノ・コトを考案して形にし、人にわかりやすく伝える…。こうした一連の流れで「インクルーシブデザイン」の考え方を学ぶことができました。

「不便を楽しむ」という視点

社会課題を具体的に検討する

 体験会の参加者に感想を聞いてみると…。

 「参加してみて一番印象に残ったのは『リードユーザの発想』。自身の障害に苦労しているはずなのにそこから生じる不便を楽しさとしてとらえて生活している。『不便を楽しむ』という視点が自身にはない発想だったと気づかされた」(自動車関連 50代男性)

 「リードユーザの生活の課題を抽象化することで一般ユーザの潜在的な課題の発見につながることが面白いと感じた」(ガス会社 20代男性)
 
 体験会の運営に携わる久保さんが、参加者の反応を見て思うこととは。

 「提供していることと、ユーザにとって本当に役立っているかは別問題ということ。これは、一般でも提供している製品やサービスが、本当にユーザが使いやすいものになっているのか、ニーズを満たせているのかと、疑問を持っていくことと同じだと思います。ワークショップでは、そのような気づきも持ち帰っていただいています」

 「できるだけ多くの人が使えるものを”障害者とともに”つくるだけで、障害がある人も、ない人も、つまりほぼすべての人にとって使えるものになります。インクルーシブデザインの視点や手法を導入していくだけで事業的に一石二鳥の取り組みができることを、より多くの企業や、社会人の方に知っていただけたらと思っています」(インクルーシブデザインソリューションズ 取締役 久保博揮さん)

(メ~テレ記者 橋本晴香)

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