「お中元」がなくなる? 近年は「夏の贈り物」としてギフトだけでなく“自分へのごほうび”カタログも 松坂屋名古屋店

日頃の感謝の気持ちをこめて贈る夏の風物詩「お中元」。
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(街の人 70代)
Qお中元を贈りますか?
「夏とか冬には(ギフトを)贈るが『お中元』という形にはしない」
(街の人 20代)
「(お中元を)1回も贈ったことはないが『もらったもの以上のものを返さなきゃ』と思うので負担になるかな」
去年、ギフト会社が会社員など300人を対象に行った調査では、半分以上が「お中元を贈らない」と回答。“お中元離れ”は進んでいます。
80年代90年代のデパートでは「決起集会」
(1984年の映像 松坂屋)
「お中元商戦頑張ろう!」「頑張ろう!」
1984年の名古屋の松坂屋の“お中元商戦”の映像。初日には職員らが決起会を行うのが慣例。
(1994年の映像 松坂屋)
この年は特に気合が入っていました。ホラ貝の音ともに騎馬を組んだ社員たちが登場。一致団結して出陣式です。「エイ!エイ!オー!!」
お中元「解体セール」も大人気
お中元商戦は、店全体の売り上げに大きく影響します。最重要イベントの一つでした。
1988年、バブル経済崩壊前のお中元用カウンターは大混雑。店の外には買い求める人たちの車の列が。さらに1985年のお中元期間が終了した後に行われる「解体セール」では、「缶詰」や「のり」など、バラ売りされる品物を手に入れようと、多くの人が詰めかけるのもお馴染みに…。
(当時の買い物客)
「もっと欲しいけどそばに寄れんの。人が多くて押されて死にそうだわ」
「お中元」という名前をやめて「夏の贈り物」
しかしお中元をめぐっては、時代と共に「面倒くさい」「お金がかかる」として徐々にやめていこうというムードが広がっていきます。そして、いまや。
(松坂屋名古屋店 原口渚沙さん)
「お中元やお歳暮という名前を廃止して、『夏の贈り物』や『冬の贈り物』というギフト展開をしている」
松坂屋名古屋店ではお中元市場の縮小に伴い、13年前から「お中元」という言葉は使わず、「夏の贈り物」として提案にひと工夫。
(松坂屋名古屋店 原口渚沙さん)
「夏の贈り物としては定番の洋菓子が人気。近年は“かわいい”や“映え”など見た目にもこだわった。カジュアルに贈れる洋菓子が人気」
5月中旬からスタートとした「夏の贈り物」商戦。ことし人気を博しているのは、花火がデザインがされたヨーグルトフォーシーズンズの「ヨーグルト花火クッキー缶」(3240円)。ヨーグルトを使った甘酸っぱさが特徴です。
さらに、花や蝶のチョコレート菓子がトッピングされたパティスリーヤナギムラ「花畑フローズンアイス果実畑(ミルク×2 いちご・ショコラベリー・抹茶×各1)(5400円)」
(西本明日華記者)
「抹茶の苦みがきいたアイスで、おもちとあずきが甘くて夏にぴったりです」
松坂屋名古屋店では3年前から、ギフトだけでなく自分への“ごほうび”として注文できるカタログを新たに用意したとのこと。
(松坂屋名古屋店 原口渚沙さん)
「(お中元に)なじみのない世代の方も増えていて、そのような皆さまにギフト展開が豊富になる時期なので、新しいギフトという形で提案したい」