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【鉄道の運転席映像】線路の先には何がある?【JR東海・中央本線・名古屋駅~神領車両区】

毎月第1土曜日の午後にテレビ愛知で放送中の『日経プレミアム 工場へ行こうIII』の制作陣がお届けする、珠玉の電車企画第5弾! 今回はJR東海の中央本線、名古屋駅から神領車両区へと回送される列車の運転席に特別にカメラを設置し、普段は見られない運転士目線の前面展望を撮影しました。長く続く線路の先には何があるのか? JR東海 運輸営業部 管理課の武井秀樹さんの解説とともにお届けします。

[貴重なお宝映像はこちら]


線路の先には何がある?JR東海中央本線

線路の先へと向かう回送列車、カーブにレールが2本ある理由とは?(名古屋駅~鶴舞駅)

名古屋駅を出発した回送列車。多くの線路があちらこちらへと伸びています。中央本線を金山駅へと向かって走る回送列車の左手に東海道本線の上り列車と下り列車が見えてきました。


東海本線 上り 下り

続いて右側にやってきたのは中央本線の上り列車。こちらは名古屋駅が終点の列車です。


中央本線 上り

しばらく走ると左側に「45」とかかれたマークが見えてきました。一体これは何なんでしょうか?


「45」とかかれたマーク

これは右方向の線路へ渡る際の制限速度が45キロであることを示す標識。分岐を右側へと進んで行く際には45キロで走りなさいという指示になっています。


制限速度45キロ

列車は金山駅を通過し、鶴舞駅へと向かいます。すると、カーブにさしかかったところで左側のレールが2本となっていました。何故ここだけレールが2本になっているのでしょうか?


左側のレールが2本となっている

2本目のレールに見えたものは『脱線防止ガード』と呼ばれる列車の脱線を防止する設備。急な曲線など定められた箇所に設置されています。


脱線防止ガード

ちなみにこのカーブの半径は400メートル。この区間ではかなり急な曲線です。

道路とは違う『鉄道の信号機』が表す意味とは?(鶴舞駅~大曽根駅)

回送列車は鶴舞駅、千種駅を通過して大曽根駅へと順調に進んで行きます。大曽根駅の手前では右手に信号機が見えてきました。道路の信号機であれば「緑=進め、黄色=注意、赤=止まれ」が基本ですが、この信号機は黄色と青が一緒に点灯しています。いったいどういう意味なのでしょうか?


信号機 どんな意味?

黄色と緑色の組み合わせであるこの信号は『減速信号』。中央本線では75キロ以下で走行することを指示しているものとなります。JR東海では5種類の信号を使い分けており、減速信号以外では赤色一つで『停止信号』、黄色二つで速度が25キロ以下を示す『警戒信号』、黄色一つで55キロの速度制限となる『注意信号』となります。


JR東海5種類の信号の説明図

そして緑色一つは『進行信号』。線区の最高速度で運転することができる信号になります。こうして細かく信号を使い分けることで安全な運行が実現しているんですね。信号を超えると左側に側線が見えてきました。


列車の待避用

この側線は大曽根駅にある待避用の線路。回送列車や貨物列車が旅客列車の待避をするために設けられたものです。

限られた保守の時間を効率的に作業を進めるための工夫とは?(大曽根駅~春日井駅)

大曽根駅を通過して矢田川にさしかかると、右側にレールが置いてありました。いったいこれは何のためなのでしょう?


交換用のレール

このレールは『交換用のレール』。レールを運んできて荷下ろしして取り替えるまでを連続して作業すると多くの時間が必要となり、限られた保守の時間内に終了させることができません。このため、予め交換用のレールを運んできて仮置きしているんだそうです。さらに列車が進むと、新守山駅の手前で再び側線が見えてきました。左側は特急列車などが本線を通過する際に待避するための線路。右側の線路は保守用車の留置するための線路とのことです。


列車の待避用と保守用車の留置用

新守山駅を出たところで、気になるものを見つけました。上から130・100・85と順番に書かれたこのマーク、どのような意味なのでしょうか?


上から130・100・85と順番に書かれたこのマーク

これはカーブの制限速度を示す標識。車両の性能によって制限速度が異なるため、車種ごとの速度が記載されています。
上の「130」は特急しなの号の制限速度130キロ、下の「85」は貨物列車の制限速度85キロを表しているとのこと。この回送列車は真ん中の「100」に従い制限速度100キロで進んで行きます。カーブを抜けたところには白と黒の不思議なマークがありますが、これが先ほどのカーブの制限速度を解除する標識です。


カーブの制限速度を解除する標識

列車はいよいよ神領車両区へ。線路の先にあったのは?(春日井駅~神領車両区)

春日井駅の赤信号でいったん停車した回送列車。再び動き出した後は左の側線へと入り神領車両区へと向かっていきます。


神領車両区へと向かう

車両区へと進んで行くとたくさんの電車が見えてきました。


たくさんの車両

その中にはこんな珍しい車両も発見。


2022年春デビュー315系

315系はこの春にデビューを予定している最新車両。毎日止まっているわけではないとのことですが、撮影日にはたまたま神領車両区に停車していました。すごいタイミングですね。回送列車はさらに左へと進んで行き、一旦停車。そして再び動き出すと、視界の前が突然真っ白に!


白い煙のようなもの

この白いモノの正体は『水』。自動車の洗車機にも似た『列車の洗車機』の緑色ブラシが回転する中をぐんぐんと進んで行きます。洗車機で現れている列車を運転席から撮影した映像、とても貴重です!洗車機を抜けてもまだ『線路の先』は続いています。ゆっくり進んだ先にあったのは洗浄台と呼ばれる施設。


線路の先に到着

この洗浄台で車内清掃、車外清掃あと汚物の抜き取りを行い、営業列車としての準備が整えられます。ここでようやく終着。線路の先には列車の営業運行を支える大切な施設がありました。

線路の先には何がある?

魅力に満ち溢れた線路の旅へご案内!テレビ愛知のレギュラー番組『工場へ行こうIII』の制作陣がお贈りする珠玉の電車企画第4弾。Locipo、GYAO!、Youtubeにて配信中。また「乗り物企画」はシリーズ化が決定!第5弾は、2/11(金祝)に放送&配信予定。どの線路の“先“を訪れるのかお楽しみに!

【放送局】テレビ愛知 
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/senro/
【配信】Locipo YouTube ​
※記事の内容は放送当時のものです。

線路の先には何がある?

毎月第1土曜日の午後にテレビ愛知で放送中の『日経プレミアム 工場へ行こうIII』の制作陣がお届けする、珠玉の電車企画!

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