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喫茶とランチと、ちょっと映え。冬の円頓寺さんぽ

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澄んだ冬の空気を感じながら歩く円頓寺エリアは、ちょっぴり特別。ふわとろオムハヤシの香りに心が弾み、喫茶店のコーヒーでほっとひと息。可愛いバルーンアートに癒されて、昔ながらの小倉トーストに笑顔がこぼれる。寒い季節だからこそ、ぬくもりがうれしい街歩き。喫茶もランチも“映え”もそろう、冬の円頓寺さんぽに出かけてみては。

※この記事の一部内容は放送当時の情報を基にしているため、情報・価格等は変更となっている可能性があります

ネオじゃない、“続き”を紡ぐ純喫茶
昭和と令和をつなぐ『喫茶ニューポピー』の物語

古い街並みが残る四間道。軒を連ねる、白い蔵造りの建物の一角に佇むのが『喫茶ニューポピー』です。扉を開けると、ふわりと漂う珈琲の香りとやさしい音楽。


鉄板イタリアンやメロンクリームソーダ、小倉トーストなどいわゆる“喫茶店っぽいもの”に若者たちは心を弾ませ、年配の人たちは「昔の喫茶店を思い出すね」と微笑む。この店の空気には、時代を超えて受け継がれてきた“喫茶店の記憶”が息づいています。

オーナー・尾藤雅士さんが、この場所で『喫茶ニューポピー』を開いたのは2019年。けれどその物語は、もっとずっと前、1977年に始まっていました。

この店をより楽しむなら、まずは歴史から。ネオという言葉では語れない、昭和の純喫茶が紡いできた魅力を取材しました。

名古屋の路地裏にあった『喫茶ポピー』
親子二代で受け継ぐ喫茶文化

原点は、大名古屋ビルジング裏の長屋にあった『喫茶ポピー』。尾藤さんのご両親が営んでいた喫茶店です。「母がポピーの花が好きだったから」というのが店名の由来。


メニュー表には、喫茶ポピー時代の写真が。

生粋の喫茶店生まれ、喫茶店育ちの尾藤さん。幼い頃、父に連れられて店に通っていました。

「休みの日は真っ暗で、自動ドアも閉まっている。父が鍵を開けると、油とタバコの匂いがして、害虫たちがササッと隠れる感じ。少し怖かったけど、父が伝票整理をしている間に飲ませてくれるバナナジュースやクリームソーダが楽しみでした」

油で少しベタベタした床と甘いジュースの味。その体験が“喫茶店”という文化を、尾藤さんの身体に刻んでいきました。

やがて自身が店を継ぎ、常連さんからマスターと呼ばれる存在へ。その手応えをもとに伏見で新店を構えますが、この挑戦を尾藤さんは「大きな勘違いだった(笑)」と振り返り、結果を“大コケ”を評します。


店内に飾られたポピーの絵

「(喫茶ポピーが)忙しかったのは、母を慕っていた常連さんたちのおかげで、自分の力ではなかった」


紆余曲折を経て、やりたいスタイルを貫ける場所を探して出合ったのが、四間道の蔵。「歴史を継ぎたい」という想いから、店名は『喫茶ニューポピー』へ。“ニュー”という名のなかに、“続き”の物語が宿りました。

じゅわっと香ばしく、ほっと甘い
遊び心が詰まった看板メニュー

メニューには、懐かしさのなかに、“ニューポピーならでは”の新しさと小さな驚きが散りばめられています。


熱々の鉄板小倉トースト

名古屋の定番・小倉トーストを、熱々の鉄板で提供する「鉄板小倉トースト」(1,200円)は、伏見時代に生まれたメニュー。食べる直前にシロップをかければ、トーストがじゅうっと音を立てながら、香ばしい匂いを放ちます。


あんこがたっぷり!見ているだけで幸せ♡

これでもかと、あんこもたっぷり♡冷たいアイスクリームをつけ、頰張る瞬間は幸せなひととき。


写真は、ナポリタンとインディアンのハーフ&ハーフ

そんな遊び心が生んだメニューは他にも!喫茶ポピー時代からの人気メニュー、鉄板イタリアンでは、2つの味を味わえる“ハーフ&ハーフ”が仲間入り。あんかけとインディアン、ナポリタンとあんかけなど、食べたい味をダブルで楽しめます。


コーヒーライスカレーはモーニングでも味わえます。

「ポピーのコーヒーライスカレー」(1,250円)は、試行錯誤を重ねたコーヒーで炊いたごはんと、スパイスから作ったピリ辛のルーが相性抜群!


自家製のポテトサラダは、喫茶店の先輩・お母さんのオリジナルレシピです。

実はこのライスカレー、“あるひらめき”から誕生。

「たまに、カレーにチョコレートやコーヒーを隠し味にすると聞く。それをご飯でやったらどうなるかな思ってやってみたら、想像していた味と全く違っていて。この味、スパイスに合いそうだなと思ったのが、はじまりです」と誕生の経緯を明かします。


さらに、音楽好きの尾藤さんらしく、名曲をモチーフとしたコーヒーモクテルもラインアップ。懐かしさの中に、“今”を感じる工夫が光ります。

丁寧に淹れるコーヒーへのこだわり