SNSが救った岐阜のお寺 幻想的な新緑ライトアップで拝観者27倍、まちおこしにも一役 山県市の東光寺

観光地ではなかった岐阜県のあるお寺がSNSで話題になっています。新緑を生かした幻想的な風景は、町おこしにも一役買っています。
岐阜駅から車で約30分。岐阜県山県市にある東光寺。500年以上の歴史を誇ります。
決してアクセス抜群なところにあるわけでもないこの寺が今、注目を集めています。
新緑が映える初夏ならではの企画とは――。
「こちらが写真スポットとなります。あの廊下に座っていただくと、宙に浮いたような写真が撮れる」(東光寺住職 彦坂怜宗さん)
新緑を机に映し出すと、闇に浮かぶ鮮やかな空間が浮かび上がります。
ライトアップは、6日から8日までの3日間限定で、すでに予約いっぱいという盛況ぶりです。
「こんないいところがあるとは思わなかった。京都に行かなくても十分ですよ」(拝観者)
ライトアップは「寺を救う一手」

6日も拝観者を案内する住職の彦坂さん。実は、ライトアップは寺を救う一手として始まったといいます。
「文化財もたくさんあり、どうやって維持するか。この歴史を守れるか、語り継げるか、引き継げるかが、寺として直面している問題」(彦坂さん)
人口が減りつつある地域では、檀家も減り、お寺の維持費をどう捻出していくかが課題になっています。
東光寺も3年前はコロナの影響もあり、年間の拝観者が約150人と厳しい現実に直面していました。
2023年から紅葉ライトアップも

そこで彦坂さんは、おととしから市の町おこし事業に加わり、「紅葉ライトアップ」を開始。
夜の闇に赤く染まったドウダンツツジが話題となりました。
写真や映像を積極的に発信し、今では3000人以上のフォロワーも。
去年の拝観者は2022年と比べ約27倍、4000人を超えました。
「注目されることによって、周りのお寺や神社も相乗効果になって山県市全体が注目してもらえれば」(彦坂さん)