「備蓄米を2000円台に」小泉農水大臣の発言どう見た?政治ジャーナリスト青山和弘氏「かなり強気」

「早ければ6月頭には備蓄米を2000円台で店頭に」。価格とともに小泉農林水産大臣が強調したのは、「スピード感」でした。ネット販売大手のチカラも借りるようです。こうした発言をどう見たのか。政治ジャーナリストの青山和弘氏に話を聞きました。
就任3日目にして、備蓄米の”新たな放出”への動きを加速させる小泉大臣。
その、2時間ほど前。午前9時前に出演した番組で明らかにしたのは、備蓄米の“目標価格”でした。
「スーパーなど全国平均が(5kg)4200円と出ているが、できれば(備蓄米は)2000円台で流していけるよう考えている」(小泉農林水産大臣)
その後、店頭に並ぶ時期にも言及しました。
「早ければ6月の頭には、棚に2000円台の今回の備蓄米が並ぶ姿を、実現できるという可能性が出てきたということです」(小泉農林水産大臣)
「かなり強気なことを言っている」

こうした発言をどう見たのか。
政治ジャーナリストの青山和弘氏に話を聞きました。
「かなり強気なことを言っていますよね。随意契約で卸していくということが固まってきた中で、この方向でやれるという自信を深めてきているんだと思います」(政治ジャーナリスト 青山和弘氏)
Q.一部のスーパーだけで(5kg)2000円台で販売されるのではなく、全国に広がるか懸念もあるが
「備蓄米といっても国の資産ですから、これを恣意的に、例えばこんなことしないと思いますが、横須賀の自分の地元の業者にばかり売り渡したら、これはもう背任行為ですよね。ちゃんと公平にルールにのっとってやれるかどうかが焦点になると思いますが、うまくいけば間違いなく(値段は)下がるとは思います」(青山氏)
「2000円台のコメ」を全国へ届けるカギとなるか

23日は楽天グループの三木谷会長兼社長との面会も。
「2000円台のコメ」を全国へ届けるカギとなるのでしょうか。
「例えば楽天の三木谷さんのところに、ある程度安い値段で卸せば、それぐらいの値段で売ってくれるという話も実は進んでいるのかもしれません。ある程度確証がないと、ここまで大胆なことは言えないので、一定程度の何か根拠があるんだというふうに推測されます」(青山氏)
小泉大臣を起用した背景は?

コメ対策への取り組みを矢継ぎ早に打ち出す小泉大臣。
起用の背景について、青山氏はこう分析しています。
「小泉さんは農水族ではありませんし改革派ですので、そういう意味では今までの農政の流れとは全く違う。そういう意味では、その改革力というか突破力というのは確かにあると思います。参議院選挙も近いですし、一気に形勢逆転を図りたいということで、小泉さんに白羽の矢が立った。一種の劇薬かもしれないが、これで起死回生の1発を撃ちたいという石破さんの思いが表れた人事だと思います」(青山氏)
一方、歯切れのよい言葉にはリスクもはらむといいます。
「良く言えば、フランクに国民に訴えかけているということなんですが、ともすると”言い過ぎた”、”ちょっと例えが間違っている”、こういったことを批判される可能性も十分あるわけです。小泉さんのこのオープンなやり方が、どこまで通用するのか、貫き通せるのか、ここはひとつの焦点だと思います」(青山氏)