長年愛されてきた渡し船が来年3月終了へ 愛知と岐阜を結ぶ 「新濃尾大橋」が24日に開通

愛知県と岐阜県を結ぶ「新濃尾大橋」が24日に開通します。渋滞の緩和が期待される一方で、橋の開通に伴い、なくなってしまうものもあるようです。
「木曽川をまたがり、岐阜県羽島市から愛知県一宮市を結ぶ新濃尾大橋。あす待ちに待った開通です」(木岡真理奈アナウンサー)
全長約760mの「新濃尾大橋」。
工事が始まったのは2012年からですが、関係自治体による橋完成に向けた活動は、30年以上にも及ぶ、地域にとっては”悲願”のプロジェクトです。
新たな橋の開通で期待されるのは、「交通渋滞の緩和」です。
新濃尾大橋から約3km上流にかかる「濃尾大橋」。
「午前8時半すぎの濃尾大橋です。愛知県一宮市から岐阜県羽島市に向かう車線ですが、反対側、愛知県一宮市に向かう車線の方が混雑しているように感じます」(木岡アナ)
木曽川にかかる橋は決して多くなく、交通が集中したびたび渋滞が発生していました。
開通により「渋滞の緩和」が見込める

「新濃尾大橋」の開通によって見込まれる、渋滞の緩和。
普段、濃尾大橋を使っている市民は――
Q.新濃尾大橋が24日開通するが
「楽しみですね。スムーズに行けるのではないかと」(一宮市民)
「濃尾大橋は10分ほど渋滞してしまう。ひどい時は20分動けないので、それを思えば、半分になるだけでもありがたい」(一宮市民)
開通に伴い無くなってしまうもの

利用者からの期待の声の一方で、橋の開通に伴って無くなってしまうものも。
新濃尾大橋の近くには、長年愛されてきた渡し船があります。
「中野の渡し」。木曽川の下流域には、かつて何か所か渡船がありましたが、今ではここだけになりました。
船着き場の船頭にお願いをすれば、誰でも無料で利用することができます。
「風がとても心地いいです。そして景色も、山々が見えて自然の風を浴びられる船ですね。橋を車で早く走るのも1つの手ではあるが、川をゆったり渡る時間も貴重ですね」(木岡アナ)
一宮市と羽島市の両岸を、片道約7分で行き来します。
「県道」としての役目を終え、来年3月で運営終了

「中野の渡し」は現在、県道羽島稲沢線の一部として愛知県が管理しています。
統計を取り始めてからは、1994年度の約7200人をピークに利用者は減少し、昨年度は2500人ほどに。
新濃尾大橋の開通にともない、「県道」としての役目を終えることとなり、来年3月をもって愛知県による運営は終了することになっています。
3年ほど「中野の渡し」の船頭をしてきた佐藤さんは――
「僕らは来年3月で終わり。愛知県の仕事としては、来年3月に終わるという話。橋ができると便利で、みんな車で動くから、船に乗って歩いていくことが少なくなる」(船頭 佐藤健一さん)
”渡し舟”には単なる交通手段ではない魅力が…

ただ、”渡し舟”には単なる交通手段ではない、魅力があるといいます。
「鈴鹿山脈、養老山脈、伊吹山、御嶽山も見える。のんびりゆっくり川を渡るのは魅力だと思う」(佐藤さん)
渡し舟を利用した市民の声は?
「せっかく歴史があるから、もったいない気がする。そんなになじみ深いところではないが、(中野の渡しが)なくなると寂しい」(一宮市民)