AIでブランド品の真贋をチェック 細かい印刷の違いなど見極める ブランド品リユース大手「コメ兵」
名古屋に本社を置くブランド品リユース大手「コメ兵」は、外国人観光客から高い評価を受けています。特にアメリカ、フィリピン、中国からの観光客が多く訪れ、日本の中古ブランド品の品質と信頼性を求めています。コメ兵の成功の背後には、AI真贋システムと「チェックド・イン・ジャパン」の取り組みがありました。
外国人観光客が集まる理由
コメ兵の店内でブランド品を物色する多くの外国人観光客。アメリカから来た観光客は「ルイヴィトンのハンドバッグを買いました。とても満足しています」と語り、フィリピンから来た観光客も「日本は本物を販売していて評判がよく、他店よりも安い」と話します。
高い評価を得る「チェックド・イン・ジャパン」
日本で培われた高い鑑定技術を海外に広める「チェックド・イン・ジャパン」。これは、日本企業が鑑定する中古ブランド品の信頼を高めるための取り組みです。コメ兵はこの4年で全国の店舗を3倍近くに拡大。インバウンド需要の回復もあり、売り上げは4年間で2倍以上に増加しました。
「AI真贋システム」の導入
コメ兵の急成長を支えるのが、「AI真贋システム」です。ブランドバッグの模様をマイクロスコープで拡大し、AIが過去のデータと照合。肉眼では判別できないような細かい違いを、瞬時に見つけて真贋を見極めます。コメ兵ホールディングスの林幸史さんは「99%以上の真贋精度」と語ります。鑑定できる商品は、この4年で7ブランドに増えました。
新人鑑定士も安心のシステム
AI真贋システムは、新人鑑定士の荒家咲さんにとっても大きな助けとなっています。基本的な知識を身につけたうえで、AIの助けを借りることで、より精度の高い鑑定が可能になります。「真贋面でも正しい値段がつけられているか、不安になることがあります。AIがあれば正確に結果が出せます」と話しています。
海外展開と未来の展望
現在、この独自のAI真贋システムを海外の店舗にも導入し、世界中に「チェックド・イン・ジャパン」のブランドイメージを拡散させる計画です。すでにタイの店舗では、AIシステムの導入により客からの信頼感や安心感が増しています。需要は確実に増えており、追い風をつかみながら海外展開を加速させる考えです。
日本経済新聞社 名古屋支社 山名直花記者:
「AI真贋システムの導入で人材を確保しやすくなるだけでなく、鑑定に必要な知見やデータは会社が管理しているので、独自の鑑定ノウハウや知識が社外に流出するのを防ぐ効果も期待できます」