【解説】「核融合」は安全性が高いエネルギー 事故が起きた際の暴走が起こりにくく放射線も少ない
12.10(火)11:00
世界各国から若手研究家が集まり、“夢のエネルギー”を誕生させる国際的なプロジェクト「ITER(イーター)」計画の勉強会が、名古屋市内で行われました。ITERは、国際プロジェクトとして2007年にスタートし、日本やEUなど7つの国と地域が参加。核融合反応によって生まれるエネルギーの活用を目指しています。現在、フランスに実験炉を建設中です。
そもそも核融合とは何か、原子力発電と比べながら詳しく解説します。
核融合は暴走が起こりにくく、放射線も少ない
原子力発電とは、ウラン燃料などの大きな原子核を分裂させて、エネルギーを抽出します。核分裂は速いスピードで連鎖反応を起こすため、膨大な熱エネルギーを生み出します。普段は真水で膨大な熱エネルギーを制御していますが、制御できない事故が起きた場合、暴走や爆発のおそれがあります。
一方、核融合は連鎖反応ではありません。核融合は水素のような軽い原子核同士がくっついて融合することで、エネルギーを作るのです。そのため、原子力発電で使う核分裂と違い、核融合発電は事故が起きた際の暴走が起こりにくく、発生する放射線も少ないため、安全性が高いとされています。
現在、日本は原子力発電で使用する「ウラン」を海外からの輸入に頼っています。しかし核融合発電に使用する「水素」は海水からの抽出が可能。資源が少ない日本にとって、核融合はメリットが多い発電方法なんです。