
冷やすのか煮込むのか…夏の名古屋に現れた『冷やし味噌煮込みうどん』汗をかきたくない客のため大将が絞った知恵


名古屋市中区の老舗『めん処 吉野屋』で、期間限定の「冷やし味噌煮込み」が好評です。氷が浮かぶ土鍋には、暑い日でもおいしく味わえるよう大将が工夫を重ねたこだわりが詰まっています。
■土鍋に氷が…生卵ではなくゆで卵が…何が違う?
中区新栄にある創業34年の「めん処 吉野屋」。店の中の壁には、うどん・そば・きしめんなどの手書きメニューがびっしりです。

寒い時期こそ食べたい、アツアツの「味噌煮込みうどん」を冷やした、期間・数量限定の「冷やし味噌煮込み」があります。

土鍋に氷が浮かんでいて、インパクト抜群です。油揚げやかまぼこと一緒に、生卵ではなく、ゆで卵が乗っています。 味噌の味はまろやかで、麺はツルっと弾力があります。“フーフー”しないで食べる味噌煮込みは不思議な感覚ですが、確かに夏にぴったりかもしれません。
■ただ冷やしただけじゃない…大将のこだわり
「冷やし味噌煮込み」には、大将・畔柳(くろやなぎ)謙一郎さんのこだわりがあります。

大将の畔柳さん: 「(Q.麺が茶色いですが)これは味噌が練り込んであります」 名前に反して、土鍋でぐつぐつ煮込むことがない「冷やし味噌煮込み」。麺は味噌を練り込んだオリジナルです。

具材もあらかじめ煮込んで、しっかり味をしみ込ませています。 氷で締めた「味噌めん」に、冷蔵庫で冷やした味噌スープ。冷やしてもコクを感じられるよう、だしに使うカツオの量は通常の2倍といいます。そして最後には、氷をのせて完成です。 大将の畔柳さん: 「夏でも『味噌煮込みが食べたい』というお客さんがいたので。だけど『汗をかきたくない』って言うんですよ。汗をかかないとなると、冷やすしかないなと思って」

誕生から2025年で7年、今では1日に20食ほど注文のある夏の定番メニューになりました。 常連客: 「週に半分ぐらい来ているんじゃないかな。冷たいから夏でも食べられるというのが最高ですね」 名古屋でおそらくここ、吉野屋だけの「冷やし味噌煮込みうどん」は、10月下旬ごろまでの期間限定で、税込み930円です。