どうなるトランプ新関税 8月1日からとアメリカが通知… 交渉の鍵を握るのは「自動車」専門家に聞いた

8月1日から「25%の関税を課す」と日本に通知してきたアメリカのトランプ大統領。アメリカへの輸出を続けてきた東海地方の企業にも、すでに影響が出始めています。
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トランプ大統領は日本時間の、8日未明にSNSで石破総理に宛てた手紙を公開し、8月1日から日本からの輸入品に25%の関税を課すと表明しました。
(アメリカ トランプ大統領)
Q.8月1日の締め切りは確定か?
「確定だが100%固まっているわけではない。もし、どこかの国がこれまでと違う方法でやりたいと提案してくるなら、我々は受け入れる用意がある」
愛知県碧南市の七福醸造は30年以上前から白だしの輸出を始め、そのほぼ全てがアメリカ向けです。
有機食材を使った品質の高さを売りに、ニューヨークのラーメン店や和食レストランなどで使用されています。和食ブームも追い風となり、輸出額は当初の3倍に伸びていましたが…
(七福醸造 犬塚元裕 社長)
「緩やかな成長をずっとしてきたが(ことし4月と5月は)真横に向いて、6月はもしかしたら下がる可能性がある」
「とんでもないな」というのが率直な感想
このメーカーによりますと、元々白だしに課せられていた関税は数%程度。現在は全世界一律の10%の追加関税が上乗せされていて、すでに影響が出ています。
(七福醸造 犬塚元裕 社長)
「25%という数字を聞いたときは『とんでもないな』というのが率直な感想。現地での販売総数が減るのが安易に想像できる」
そんな中、示された新たな関税。さらなる運送費の削減などに取り組んだとしても25%の関税には到底対応できないといいます。
(七福醸造 犬塚元裕 社長)
「対策対応の手がないのが今のところで、静観しているのもある。これだけコロコロ変わる話なので。日本はどこで譲歩するのか関心事ではある。無傷は無理だろうな」
交渉の鍵を握るのは「自動車」
専門家は今回のトランプ大統領の動きをどう見ているのでしょうか?
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 塚田裕昭 主任研究員)
「いままでの交渉が進展していないことの表れ。関税が課せられるのは避けられない前提で、企業も今後の戦略を考えざるを得ない」
東海地方にとって気がかりなのが「自動車」。今回の関税は、すでに発動されている自動車への25%の追加関税には上乗せしないということですが、今後は、この「自動車」が交渉の鍵を握るといいます。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 塚田裕昭 主任研究員)
「対日貿易赤字のかなりの部分が自動車によって生じているので、自動車は交渉上でも大きなウエイトを占める」
新たな関税が発動される8月1日に向けて、日本は再びアメリカと交渉することになりますが…
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 塚田裕昭 主任研究員)
「日本の選挙が7月20日。その結果次第で交渉が難しくなる。場合によっては8月1日の時点で交渉自体は終わらずに再びの延長か、とりあえずここまでということで、25%の関税が実施されることも」