ご当地映画の補助金トラブル 督促状の期限前日も返金確認できず 岐阜・関市は訴訟を含め検討

長期化している岐阜県関市のご当地映画をめぐるトラブル。
市は制作会社に対し、補助金2000万円の全額返還を求め、督促状を送付しています。
その返還期限が25日に迫る中、市長が会見を開きました。
「大変多くの報道機関の皆さんにご出席をたまわりまして、こうして会見できることをある意味うれしく思っている 」(関市 山下清司 市長)
会見冒頭、意味深な言葉を発した関市の山下市長。その理由はご当地映画「名もなき池」の補助金トラブル。映画の補助金の督促状に基づく返還期限が25日に迫っています。
「今朝の時点ではまだお納めいただいていない状況」(山下市長)
映画「名もなき池」は、観光客の呼び込みなどを目指す関市がおととし作品を公募。
審査の結果、兵庫県の制作会社「IROHA STANDARD(イロハ スタンダード)」が関市内などで撮影・制作し、関市が計2000万円の補助金を出しました。
しかし、「今年3月末までに複数の映画館で4週間以上上映する」などの補助金交付の条件を満たさないことなどから、市は3月27日、補助金の全額返還を求めていました。
映画の上映は、これまで兵庫県と愛媛県の2つの映画館にとどまっています。
「しゃべっている内容とワンテンポずれて音が聞こえるシーンもあった」(映画を見た人)
市長「名誉を回復する手段を取りたい」

一方の制作側は4月4日、代理人弁護士と共に会見を開き、「3月下旬に上映を始めたので条件は満たしている」などとして、補助金を返還する意思がないことを明らかにしました。
一連の経緯について市民は…。
「業者を選ぶときにちゃんと調べなかったのかな」(70代)
「(市が)安易に2000万円を渡してしまったのもどうかなと感じている」(60代)
制作会社からの返還がなかったため、市は督促状を送りましたが、24日朝の時点で入金はされていません。
「(期限までに)納められないとすれば、名誉を回復する手段を取りたい」(山下市長)
市は、25日になっても入金がなかった場合、訴訟を起こすことも含め対応を協議するとしています。