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【鉄道の運転席映像・東山線 】線路の先には何がある?【名古屋市営地下鉄・高畑駅~伏見駅】

毎月第1土曜日の午後にテレビ愛知で放送中の『日経プレミアム 工場へ行こうIII』の制作陣がお届けする、珠玉の電車企画第7弾! 今回は待望の名古屋市営地下鉄東山線「前編」! 東山線を走る特別な回送列車の運転席に特別カメラを設置し、普段は見られない運転士目線の前面展望を撮影しました。長く続く線路の先には何があるのか? 名古屋市交通局の稲垣秀規さんの解説とともにお届けします。

[貴重なお宝映像はこちら]


線路の先には何がある?東山線

昭和時代のトンネルを走る『特別な回送列車』とは?(高畑駅~中村公園駅)

名古屋市営地下鉄東山線・高畑駅を出発する回送列車。実はこの列車は『試運転回送列車』。車両の更新の時に機械のテストをするために走るものだそうです。


試運転回送列車

試運転回送列車が走行することは珍しく、特に高畑から藤が丘までの全線を試運転することはめったにないとのこと。非常に貴重な映像を撮影させていただくことに成功しました。高畑駅を出発した列車が進んで行くのは、昭和57年に建設されたトンネル。かなり年季が入っていますね。


和57年に建設されたトンネル

ぐんぐんとスピード上げる列車。東山線の規定速度は時速65kmとなっており、この辺りでは時速62kmほどで走っています。しばらく走ると、岩塚駅付近で複数の線路が行き交っている箇所が見えてきました。


下り線 電気用モーターカー

この付近の上り線と下り線の間に電気施設の保守基地があるため、この線路に保守用モーターカーが停まっています。このような保守基地は岩塚駅の他、藤が丘駅にもあるそうです。さらに進んで行くと、中村公園駅の手前で線路の下がコンクリートから砕石に変わっているところが見つかりました。なぜここだけ石が敷かれているのでしょうか?


左コンクリート 右石

実はこれは「レールの接続工事をしやすくするため」のもの。コンクリート敷きよりも砕石敷きの方がレールを上下左右に動かしやすいので、接続工事を進めやすくなるそうです。東山線では中村公園駅が終端駅の時があり、その後高畑まで延伸工事が行われています。その際この場所でレールを接続していたことから、その名残りとして石敷きのまま残っているとのことでした。東山線の歴史を感じられるスポットです。


終着駅を中村公園駅から高畑駅に延長するときに使われたなごり

トンネルに備えられた「黒い箱」はあの鉄道工事に関係していた!?(中村公園駅~名古屋駅)

中村公園からさらに走っていくと、コンクリートのちょうど真ん中あたりに溝のようなものが掘られている箇所がありました。


溝のようなものが掘られている箇所

この溝は地下水を流すための溝。溝の先にはポンプがあり、溝を通って流れていった地下水はポンプでくみ上げられて下水へと流されます。地下の安全を確保する重要な施設です。さて、東山線には架線が設けられておらず、線路の横に備え付けられたサードレールから電気を得ます。実はここにも隠された秘密が一つ。駅と駅の間ではサードレールが左側に設けられていますが……


サードレール

駅に入るとサードレールの位置が右側に変わります。これはいったい何故でしょうか?


乗客の安全を確保するため右側

その理由は乗客の安全を確保するため。対面式ホームの場合線路の左側にホームが来る形となりますので、もしサードレールが左にあると乗客に近い場所に大きな電気が流れてしまうと言うことになります。そのためホーム付近では出来るだけ乗客から遠い側にサードレールが配置されているのです。列車いよいよ名古屋駅へと近づいてきました。すると、名古屋駅の手前で再び複数の線路を発見。これはいったい何なのでしょうか?


名古屋駅の手前で再び複数の線路を発見

正解は上下線で列車を入れ替えるために使用する線路。名古屋駅から高畑駅の間で万が一事故が起こった際などは、ここで上下線を入れ替えて名古屋駅での折り返し運転ができるようになっています。さらに名古屋駅付近の手前には、左側に黒い箱が設置されているのを見つけました。


左側に黒い箱

この箱はトンネルの動きを計測するための装置。現在、東山線の名古屋駅付近ではリニア中央新幹線の工事が進められており、その工事の影響でトンネルの位置が上下左右にずれていないかどうかをこの黒い箱で計測しているとのことです。安全を確保するための重要な設備なのです。

長いホームに急カーブ、名古屋駅には秘密がいっぱい!(名古屋駅~伏見駅)

ついに列車は名古屋駅へと到着。しかし、名古屋駅のホームはとっても長くなかなか停車位置までたどり着きません。いったいなぜ、名古屋駅はこのような長いホームになっているのでしょうか?


ホームが長い!

その理由は「お客さんが増えたから」。昭和32年に名古屋駅が開業した当時は上下線の列車が同じ位置に止まる短いホームでした。しかし、東山線が東へと伸びて行くにつれてお客さんがどんどんと増加。ホームが飽和状態となってしまったため、駅を改造してこのような長いホームとなったんだそうです。名古屋駅を出発すると、右手に鉄の棒のようなものが見えてきました。


右手に鉄の棒のようなもの

この鉄の棒はレールに亀裂が入った時などに使われる緊急用レール。いざというときにはレールを運ぶための専用の台車を使って運んでいきます。


レール運搬車

名古屋駅から伏見駅に向かうと、長くて急なカーブが待っていました。実はこの急カーブにも地下鉄の歴史が隠れています。


長い急カーブ!

建設初期の計画では東山線は国鉄(現JR東海)の名古屋駅で当時使用していなかった一番東のホームを利用し、名古屋鉄道と相互乗り入れをする予定でした。ところが様々な事情でそのホームが使えなくなり、東の駅前広場の地下に名古屋駅を作ることに。そのため当初の計画よりも急なカーブとなってしまったんだそうです。


名古屋駅 線路の説明図

このあたりの線路が傾いているのも急カーブへの対応の一環。レールを傾けることでよりスムーズに列車が進んでいけるように工夫されています。


カーブを曲がりやすくするためにレールを傾けている

急カーブを抜けると、今まで柱だった右側の箇所が急に壁になりました。いったい何故でしょうか?


急に壁!?

この壁の部分は堀川の真下に当たる場所。東山線の工事が行われている当時の堀川は重要な水運ルートであり、たくさんの船やいかだが運行されていました。そのため、川を全部せき止めて工事をすることができず対応に迫られていたそうです。そこでこの区間では、トンネルとなる箱状の構造物をあらかじめ地上で組み立てておき、川を半分だけせき止めてそれを順番に沈下させるという工法がとられました。当時としては非常に難しい工事だったとのこと。その工事の名残が今でも長い壁が残っているのです。


川を半分だけせき止めてそれを順番に沈下させるという工法

名古屋駅~栄駅間で名古屋で初めて地下鉄が開通したのは約65年前となる1957年ですが、名古屋の市営交通は1922年8月に路面電車事業を始めたところまで遡ります。つまり今年の8月で名古屋の市営交通は100周年を迎えることに。これ記念して名古屋市交通局では、様々なイベントの実施やグッズの販売行う『市営交通100年祭』を実施中です。
次回は「名古屋市営地下鉄東山線」後編。今池池下間の秘密の空間にはかつて地上にあった車庫へと続く線路が!? そして一社駅を過ぎるとなぜ地下鉄が地上に出るのか?そこには意外な理由がありました。次回も必見です。


地上の車庫へと続く線路!?

線路の先には何がある?

魅力に満ち溢れた線路の旅へご案内!テレビ愛知のレギュラー番組『工場へ行こうIII』の制作陣がお贈りする珠玉の電車企画第6弾。Locipo、GYAO!、Youtubeにて配信中。
また「乗り物企画」はシリーズ化が決定!第8弾は、4/29(金祝)に放送&配信予定。伏見から続く「名古屋市営地下鉄東山線・後編」、ご期待下さい!

【放送局】テレビ愛知 
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/senro/
【配信】Locipo YouTube ​
※記事の内容は放送当時のものです。

線路の先には何がある?

毎月第1土曜日の午後にテレビ愛知で放送中の『日経プレミアム 工場へ行こうIII』の制作陣がお届けする、珠玉の電車企画!

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