名鉄名古屋本線 岐阜駅~名古屋駅の運転席映像を公開!単線区間や待機中のミュースカイなどレアショットも!『線路の先には何がある?』
毎月第1土曜日の午後にテレビ愛知で放送中の『日経プレミアム 工場へ行こうIII』の制作陣がお届けする、珠玉の電車企画! 今回は待望の名古屋鉄道・名古屋本線編!名鉄列車の運転席に特別カメラを設置し、普段は見られない運転士目線の前面展望を撮影しました。長く続く線路の先には何があるのか? 名古屋鉄道 運輸保安部の米田大介さんの解説とともにお届けします。
名鉄岐阜駅の直前で下り列車がスロー走行。その理由とは!?(名鉄岐阜~笠松駅)
名鉄岐阜駅を出発した列車は、おなじみの車内放送ベルを鳴らしながら名古屋本線方面へと進んで行きます。するとタイミング良く向かい側から下り列車がやってきました。しかし、ずいぶんとゆっくり走っているようです。
実は名鉄岐阜駅の直近には陸橋をくぐる箇所に単線の区間があり、1本しかない線路を上りと下りの列車がどちらも通過しなければならない場所があります。
名鉄岐阜駅から出発する上り列車が通るタイミングで駅へと入っていく下り列車がやってきてしまうと信号待ちする必要があるとのこと。そうした場合にこのようなスロー走行となります。
その後住宅が密集する区間を走って行った列車は加納駅、茶所駅と順に通過。すると茶所駅を通り過ぎたところで左側に止まっている車両が見えてきました。
この場所は「茶所検車支区」というところ。車両の日常の検査を行ったり岐阜から発車する列車を待機させる役割を担う重要な場所です。一番右側に停車していた列車は青いラインがトレードマークのミュースカイ。この後名鉄岐阜駅に回送しまして折り返し中部国際空港行きのミュースカイとして運転するため待機をしているところでした。
さらに進むと今度は笠松駅の手前で左側に「本」と漢字が書かれた表示器が見えてきました。
この表示器は線路がどの方面へ切り替わっているかを運転士へ示すもの。この先にある笠松駅は名古屋本線と竹鼻線の分岐駅になるため、線路のポイントがどの方面へ向かうように切り替わっているのか表示器で伝えています。「本」は名古屋“本”線の本ですね。
JR東海との並走区間を走る名鉄列車。境界はどこにある?(笠松駅~名鉄一宮駅)
木曽川の陸橋を越え、順調に進んでいく名鉄列車。するとここで線路の上に気になるもの発見しました。
線路の間に置かれた白い物体の正体は「ATS地上子」と呼ばれる装置。列車の速度を測るセンサーの役割をしており、定められた速度以上で列車が接近した場合に自動的に非常ブレーキをかけるための装置とのことです。列車の安全な運行を支える重要な設備です。
真っ直ぐな線路をさらに進んで行く名鉄列車の運転席からは、並行するJR東海道本線の線路が見えています。このような並走区間には「用地杭」と呼ばれるものが設置されており、名鉄とJRの境界を示してるんだそうです。
さらに進んだところにあるのが名鉄一宮駅。百貨店と建物を共用している大きな駅です。
名古屋本線と尾西線の接続駅である名鉄一宮駅は折り返しの機能を持っているとのこと。この時も近くの留置線には一宮駅に着いた列車が折り返すために待機していました。
三本並んだ線路の真ん中だけが行き止まり!?いったい何故? (名鉄一宮駅~西枇杷島駅)
一宮駅を出発してしばらく走っていると、進行方向の左手に白い筒状のものを発見しました。
これは踏切遮断機の予備の棒を置いておくもの。万が一遮断機が折れてしまった時にすぐ取り替えができるように、このように予備の竿が置かれているとのことです。ちなみにこの筒は塩化ビニールで出来ており、雨風をしのげる造りになっています。
列車はさらに進んで須ヶ口駅を通過。するとたくさんの列車が止まっている場所がありました。
須ヶ口駅近くにあるのは「新川検車支区」。茶所検車支区と同様、日常点検の他に列車を待機させる場所としての役割を担っています。
そしてここにはもう一つ興味深い場所が。線路が3本並んでいるのですが真ん中だけ行き止まりになってしまっています。
この線路は岐阜方面から来た須ヶ口行きの電車が折り返しをするための留置線。線路の形から我々は通称「Y線」と呼ばれているそうです。確かに見た目そのままですね。
西枇杷島駅を通過すると、進行方向から離れるように左側へとカーブしていく線路が見えてきました。
この線路は西枇杷島駅の留置線。岐阜方面から左側の犬山線へ直通できる連絡線の役割も担っています。ただ、現在は営業列車が運転されておらず線路の保守ですとか回送列車などで臨時に使っているのみとのことです。
名鉄名古屋駅へと近づくと、再び右側にミュースカイが停車していました。この列車は折り返し名鉄名古屋発のミュースカイとして運行されるのを待つ待機列車。この先の名鉄名古屋駅は上り線も下り線も線路が一本ずつしかなく長時間停車させられないため、このように栄生駅付近に設けられた留置線に停車させているのだそうです。
そして列車はいよいよ地下にある名鉄名古屋駅へ。まるで洞窟の中を探検するかのような雰囲気があります。
名鉄名古屋駅が開業したのは昭和16年。トンネル一つからも長い歴史が感じられます。古い造りではあるもののメンテナンスがしっかりと行われているため、安全も十二分に確保されているとのことです。
そして列車はいよいよたくさんの乗客で賑わう名鉄名古屋駅のホームへと到着。向かって左側が乗車ホーム、右側が降車ホームとなります。乗車と降車を分けることで、早く電車がさばけるようになっているんですね。
この後列車は名鉄名古屋駅を出発し中部国際空港へと向かっていきます。この続きは8/11(木祝)夕方に放送&配信予定の後編にて大公開。行き止まりの線路や秘密のホーム、『赤い列車』が大集合する車両基地が3つも登場します!ぜひ放送&配信を楽しみにお待ちください。
線路の先には何がある?
魅力に満ち溢れた線路の旅へご案内!テレビ愛知のレギュラー番組『工場へ行こうIII』の制作陣がお贈りする珠玉の電車企画。Locipo、GYAO!、Youtubeにて配信中です。
次回は『JR東海・飯田線』。めったに見られない貴重な運転席映像、ご期待ください!
【放送局】テレビ愛知
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/senro/
【配信】Locipo YouTube
※記事の内容は放送当時のものです。