子どもに広がる「視力低下」 重大な目の病気になる可能性も…なぜ?医師に聞く

6月10日は「こどもの目の日」。目の健康のために目指したい「6歳で視力1.0」にちなんでつけられましたが、なかなか目標どおりにいかない現状があるようです。
「上にお兄ちゃん(8歳)がいるが、すごく目が悪く眼鏡をかけている」(近視の子の親)
「(子どもが)中学生の時に目が悪くなったので、コンタクトをしている。絶対的にスマホやタブレットは見てしまうので、なかなか難しい」(近視の子の親)
文科省によりますと、視力1.0未満の子どもの割合を調べたところ、中学生以上では6割を超えているといいます。
また海外の研究によりますと、2050年までに世界人口の約半分が近視になる恐れがあると言われ、もはや社会問題に。
「(近視が)低年齢化しているとよく言われていて、日本だけのことではなく、特にアジア諸国で多いので問題になっている」(眼科三宅病院 近藤永子医師)
子どもに近視が増えている背景は

市内の小学校で児童の視力検査なども行う、「眼科三宅病院」の近藤永子医師は、子どもたちの近視に警鐘を鳴らします。
Q.子どもに近視が増えている背景は
「コロナ渦で近視の発生を抑制するのは、外遊びということがわかってきた。コロナ禍の外出制限された時期に、どこの国も増えてきたと言われている」(近藤医師)
学校教育でも使われることが多くなった、スマホやタブレット。
デジタル機器などによる影響は、どの程度あるのでしょうか?
「スマートフォンだと短い距離で見る。短い距離でみることは、近視の発症リスクが高くなるといわれている。紙の方がいいんじゃないかという論争はあるが、実際に紙でもすごく近い距離で姿勢悪く長く見続けていると、それも近視発症のリスクになるので、小さい時に(スマホなどを)見せることによって、習慣づけられてしまうというのが一番大きい」(近藤医師)
将来、重大な目の病気になる可能性も

小さなうちに近視になると、成長に従い、近視の度合いも進むことに。
将来、重大な目の病気になる可能性が高まるといいます。
「『緑内障』も比較的近視の多い人にリスクが上がる。あとは『網膜剥離』など少ないが、近視の方がうんとリスクが高くなるので、そういった病気のリスクになる」(近藤医師)
こうした状況を受け、日本眼科医会がこんな動画を作りました。
子どもを近視にしようと企てる「近視マン」が登場し、近視の予防方法などを教えてくれる4分ほどの動画です。
YouTubeで配信し、注意を呼び掛けています。
「子どもが自分で自分の目を守るためには、どうやって規則を作っていくかがとても大事なので、小さい時から教えていくのは大人の役目かなと思う」(近藤医師)