新社会人がそれぞれの一歩踏み出す 各地で入社式や辞令交付式 企業は人材確保に向け初任給増の動き

1日から新年度。心新たに朝を迎えた人も多いのではないでしょうか。
企業や自治体では入社式や辞令交付式が行われました。物価高などを背景に、大企業を中心に賃上げの動きもある中、新社会人の初任給事情も変わってきているようです。
愛知県豊田市で行われたのは、トヨタ自動車の入社式です。
「車づくりはとてもやりがいのある仕事。でも大変なことも苦しいこともたくさんある。それを楽しいと思えるようになるためには、たゆまぬ努力が必要」(トヨタ自動車 佐藤恒治 社長)
入社式に出席した新入社員はリモート参加のキャリア採用を含めて2919人。去年の1.5倍ほどの規模だそうです。
アメリカのトランプ大統領が掲げた自動車への「25パーセントの追加関税」実施を間近に控え、業界への逆風が強まる中ではありますが、新入社員らは期待を胸に新たな一歩を踏み出します。
「皆さんが、安全で事故を起こさずに乗れるような車をつくっていきたい」(新入社員)
「トヨタの車は世界に愛されているので世界中に良い車を届けていきたい気持ち」(新入社員)
新入社員とともに新たなスタートも

今年1月、旧愛知銀行と旧中京銀行が合併して発足した「あいち銀行」の”初めて”の入行式。
「私もきょうが頭取初日なので、ある意味皆さんと同期だと思っている」(あいち銀行 鈴木武裕 新頭取)
鈴木頭取も、この日が就任日です。
名古屋市の辞令交付式では、新規採用職員のうち、749人が出席しました。
去年11月に就任した広沢一郎市長にとっては初めての辞令交付式です。
人材確保に向け初任給増へ

「人手不足」が叫ばれるなか、人材確保のための一手としてこの地方の企業でも初任給アップの動きがみられます。
津市で開かれた三重交通グループの入社式。今年はグループ11社に、あわせて57人が入社しました。
「若い人たちが運転職を目指すところを企業としてアピールをしている。三重交通では初任給を1万5000~2万円アップしていて、大手企業に対抗できるように。運転職というところで待遇の面でも負けないようにやっていきたい」(三重交通グループホールディングス 松田智志さん)
「新社会人として自分の力で社会に貢献できる仕事に取り組みたい」(新入社員)
「安心安全で目的地まで楽しい思い出に残るような旅が届けられる運転士になりたい」(運転士になる新入社員)
名鉄では車両を貸し切り歓迎イベント

名古屋駅と中部空港を結ぶ特別車「ブルーミュースカイ」の車両を貸し切り、歓迎イベントを開いたのは、名鉄です。
特別乗車券ならぬ「特別入社券」が配られたり、車内アナウンスを体験したりと、熱烈歓迎。
「いきなり指名されてびっくりしたが、何とか落ち着いて頑張った。車掌のマイクを握るのは初めてでこういう風になっているんだと楽しかった」(新入社員 総合職)
名鉄では4年連続で初任給の引き上げを実施。
今年度は、鉄道現業職は現在から2万円以上引き上げ、初任給は22万円以上に。
総合職は現在から1万円引き上げ、初任給は31万円とするとしています。
「初任給が上がるのは率直にうれしい。給料に見合った分の仕事ができればと考えている。たくさん働くことで自分の生活も豊かになっていくし、その分やりがいも出ると思う」(新入社員 総合職)