
カギは“固定費”の見直し「お金のプロ」に聞く暮らしの防衛策 トランプショックの影響で家計に影

家計にまで影を落とす”トランプショック”で、ファイナンシャルプランナーに相談する人も増えているといいます。FP法人ライフデザインの五十嵐悠太代表に、家計を守る秘策はあるのか解説してもらいました。

トランプ関税の発動で、株価が世界的にも乱高下しています。
株式投資をしている人は上がるとうれしい、下がると悲しいですが、一方で、「株式投資をしていないから関係ないわ」という人もいます。株価の乱高下は、株式投資をしていなければ関係はないのでしょうか。
「関係ないと思う方も多くいらっしゃるとは思うが、ただ株式投資をしていない方も、実はとても関係があります」(ファイナンシャルプランナー 五十嵐悠太さん)
株式投資していなくても暮らしに影響が…

「株価が、そもそも過去の業績に対してではなくて、会社のこれからの未来に対しての業績の見通しで株価が上がったり下がったりします。つまり株価が今下がっていることは、会社の業績が悪くなるかもしれないと、乱れているということになります。そうなると、給料が今まで順調に上がっていたのに、急に上がらなくなったり、人員の削減や、今新入社員の採用活動をしているところも、『来年は控えよう』となる可能性がある」(五十嵐さん)
また「夏のボーナスや冬のボーナス」も、少なくなる可能性も――
「みなさん国民年金に加入されてると思うが、その年金の運用比率も非常に高くて50%ある。実は株式が下がることで、『私は関係ない』って思ってる方が多いが、実は関係があるという状況です」(五十嵐さん)
貯蓄と投資、どちらがいい?

そして政府は「貯蓄から投資へ」のスローガン打ち出していますが、貯蓄と投資は実際どちらがいいのでしょうか。
「投資した方がいいと思います。ただ最近は物価が急上昇してきており、例えば数年前にコンビニでおにぎりを購入した際に昔は100円玉が1枚あれば、いろんな味のおにぎりが買えた。しかし今は100円出しても具がない、虚しいおにぎりしか購入できない。つまり物価がそれだけ上がってきていて、100円の価値が下がっているということになります」(五十嵐さん)
Q.つまりインフレということか
「そのとおりです、インフレになっています」(五十嵐さん)
なぜ投資がいいのか

今は貯蓄をしていても、現金の価値が下がっているため「投資がいい」と言いますが、なぜ投資がいいのでしょうか。
「投資がいい理由は、株式市場の過去を振り返ると、世界の株式は上下しながらもずっと右肩上がりになっている。日経平均を見てみても、やっぱりずっと右肩上がりになっているので、昔はデフレーションで現金の価値がどんどん上がる時期があったが、100円の価値がどんどん下がっている状況では、100円よりも株式に投資して資産が増えてくようなやり方のほうが、今は賢いやり方なのかなと思います」(五十嵐さん)
長い目で見たら価値が上がってるいるから投資がいいとのことですが、投資をする上でのデメリットはあるのでしょうか。
「株式投資でも必ず上下がありますので、例え何年後にこのお金が必要と決まっているものを全て投資してしまうと、計画が狂ってしまう。ポイントとしては、何年後に決まってるお金であれば、例えばそこまでリスクを取らないやり方であるとか、もしくは短期的に売買するのを考えるのではなく、長い目で5年10年20年と見る。また株式だけではなくて、それ以外に債券などの投資があるので、いろんな考え方をしながら検討したほうがいいのかなと思います」(五十嵐さん)
投資以外での家計防衛策は?

Q.今私たちがすぐにできる投資以外での家計防衛策はあるか
「特によくお伝えしているのが、生活の見直しです。生活の見直しは、いつでも『きょうからやろう』と思えばできることがあります。具体的にいうと変動費、食材や消耗品、日用品とかではなく固定費を見直すのがポイントです。固定費というのは、『何にもしなくてもかかるお金のこと』を定義していて、例えば通信費、スマホ代や1回契約したけど見ていない動画配信サービスなどです。そういうのは、結構あるんじゃないのかなと思います。また保険料収入とかクレジットカードの年会費とか、1回入ったらずっと見直さないものが共通してあると思います。なのでこういうものを1度見直していただくと、1回下げるとそこからずっと続く、努力なく簡単にいけるっていう意味で、家計の見直し、固定費の見直しをおすすめしております」(五十嵐さん)
株価の日々の乱高下には一喜一憂せず、投資する人は、余裕がある資金を使って自己責任で行いましょう。