「相対評価」か「絶対評価」か “内申点問題”で名古屋市教育委員会が調査「評価は適切だった」と結論付ける 一方で「疑義を生じさせ大変遺憾」

高校受験に大きく関係する内申点。名古屋市では国の定めに反して「相対評価」だったのか。教育委員会は調査の結果、「評価は適切だった」と結論付けました。
【写真を見る】「相対評価」か「絶対評価」か “内申点問題”で名古屋市教育委員会が調査「評価は適切だった」と結論付ける 一方で「疑義を生じさせ大変遺憾」
この問題は愛知県の公立高校の受験で合否に影響する「内申点」について、名古屋市内の一部の中学校で評定の平均値を定めるなど、「相対評価」を連想させるような内部文書が作られていたものです。
調査を進めていた名古屋市教育委員会はきょう、「相対評価が行われていた状況は認められない」と結論付けました。一方で。
(名古屋市教育委員会 畑生理沙課長)
「疑義を生じさせるような内容があり、たいへん遺憾であるというふうに考えています」
「評定の平均値」などを周知していた学校が全体の4割
調査した市立中学校111校すべてが「絶対評価していた」と回答しましたが、評価の前に、評定の割合や評定の平均値などを教員に周知していた学校が、全体の4割にあたる44校にのぼりました。
(名古屋市教育委員会 畑生理沙課長)
学習評価の考え方が変わって、教員が今までと異なる評価の仕方をしなければならないので、迷う場面が出てきたということがある中で、一定の基準を作ろうとしたようなことは考えられる」
これらを周知することは「相対評価」を連想させ、実際の平均値は5校で一致しましたが、実際の評定分布はすべての学校で合致しなかったことなどから「評価は適切に行われていた」と説明しました。
広沢市長の反応は…
この調査結果について名古屋・広沢一郎市長は。
(広沢市長)
「それがちゃんと改まっているかどうかも、これから個別に学校に問い合わせるなりして、『ちゃんと変えましたか』というふうにやっていかなければいけない」
評価に関係する資料の保存期間は1年間で、名古屋市教育委員会は「調査は一区切り」とする一方、疑念の声があれば可能な限り説明していくと話しています。