参院選の大きな争点“社会保障制度” 専門家は「医療制度のあり方を考える時期」 主要政党の公約は?

7月20日に投開票の参議院選挙。期日前投票が4日から始まりました。減税か、給付か?選択夫婦別姓への賛否は? 気になる争点はいろいろありますが、投票先を選ぶ際のポイントを専門家に聞きました。
期日前投票所は、愛知県に184カ所、岐阜県に187カ所、三重県に101カ所設置され、一部の投票所では4日朝から期日前投票が始まりました。
名古屋市の熱田区役所には、今朝からさっそく期日前投票する人の姿がみられました。
愛知県選挙管理委員会によりますと、前回2022年の参議院選挙では、県内の有権者の約18%にあたる112万人あまりが期日前投票を利用したということです。
さっそく投票を済ませた有権者は、その一票にどんな思いを託したのでしょうか。
「(投開票日が)連休の中日なので行ける日に行っておこうかなと。現役世代で子供もいるので、この子のためになる政治を選んだ」(20代)
「生活しやすいようにしてほしい。一番は年金もらっているから(物価は)少しでも安い方がいい」(80代)
争点は物価高以外にも―

政治ジャーナリストの青山和弘さんは、今回の争点について――。
「争点は今回『減税か給付か』と言われているが、減税を訴える政党が勝てば消費税減税が実現する可能性は十分ある。一方で給付を訴えている自民・公明を中心とした勢力が勝てば、給付ということになって、減税にはならない。ただ給付は行われることになると思います」
物価高対策に注目が集まる今回の参院選ですが、投票先を選ぶ際には、各党の“違い”にこそ注目すべきだと指摘します。
「コメの問題は争点にならないと思う。なぜかというと、小泉農水大臣がコメの価格を下げようとしてちょっと下がってきた。だけどコメの値段を下げたくないという野党はない。結局、みんな同じ方向を向いているものは違いがないので、主張が違っているところこそ、選ぶポイントが出てくる」
中でも、青山さんが注目している争点は――。
Q.物価高以外にはどんな争点が?
「実は大きなテーマとしてあるのは、社会保障制度の改革。年金だけでなく社会保険料が高いと言われている中で、医療制度をどう変えていくかは実はもう考えないといけない時期にきている。政策を見比べて『ここは』と思ったところに入れるのはひとつのやり方かなと思う」
「医療」について主要政党の公約は

今回の参院選、物価高対策が注目されていますが、青山さんが話していた「社会保障」も重要な争点となっています。
「社会保障」といっても幅広いため、その中でも「医療」について10の主要政党はどんな公約を掲げているのでしょうか。
【自民】
公定価格の引き上げ。地域医療や介護、福祉の基盤を守るために公定価格を引き上げて経営の安定や他の産業に負けない賃上げにつなげる
【立憲】
高額療養費の自己負担限度額を引き上げない
【公明】
医療DXの推進。医療費を抑えて社会保険料の上昇を抑制
【維新】
湿布や風邪薬などの保険適用の見直し。オンラインやAIを活用した医療DXの推進
【共産】
医療費の窓口負担、国民健康保険料の引き下げ
【国民】
年齢ではなく負担能力に応じた窓口負担。後期高齢者医療制度への公費投入を増やす
【れいわ】
後期高齢者医療制度は廃止、全額国費負担に。これによって「現役世代」の保険料負担を大幅に軽減
【参政】
予防医療を健康保険の対象に。医療費削減に貢献した高齢者に国内旅行クーポン券などを配布
【社民】
高額療養費制度の自己負担限度額の引き上げに反対
【保守】
健康保険法の改正。外国人の健康保険を別立てに