道路陥没事故、東海地方も他人事ではない 名古屋市は2000kmの下水道管が耐用年数超える
埼玉県八潮市で道路が陥没した事故。下水道管の劣化を防ぐため、東海地方でも工事が行われています。
「豊橋市内では、市内で最も古い下水道管の工事がこのマンホールの中で行われています」(木岡真理奈アナウンサー)
道路を掘り起こすのではなく、マンホールから中に入り、工事を行っていました。
「今回の工事は調査した結果、耐震性がないということで、耐震性を高めるために実施する工事です」(豊橋市上下水道局 下水道整備課 原田貴さん)
この下水道管は1931年ごろに施工され、豊橋市内で最も古いものだといいます。
耐震性を高めるために行われていたのは、老朽化した部分に内側から新しい下水道管を組み立てる工事です。
中の様子を見ると、青いパネルのようなもので覆われていました。
「工事は管更生工事というもの。プラスチック製の管を、古い下水管の内側に組み立てる工事になります。元々のコンクリートの管より強い素材になっています」(原田さん)
工事中の豊橋市「緊急点検をしなければ」
下水道管の耐用年数は約50年といわれています。
豊橋市内には約1600kmの下水道管があります。10年に一度、劣化などが心配される個所を中心に検査が行われています。
「内径80cm以上のものは、直接人が入って見ていく。下水道管は常に市民が使っている状況なので、水が常に流れている状況でやらないといけないのと、急な大雨が降ると大量の水が流れてきて、人が流される可能性もあるので、そういったところに注意してやっています」(原田さん)
工事や点検などを行うお金や人員確保も難しいのが現状。
しかし、埼玉県での事故は他人事ではないといいます。
「大きな管が破損するのは、市民への影響は非常に大きい。破損箇所は表面にでているものしか分からないところはあるので、中の部分まで把握するのは難しいところもある。実際に国から正式な要請はまだないが、似たような規模のものに対しては、緊急点検などをしなければと感じています」(原田さん)
名古屋市の下水道管は約4分の1が耐用年数超える
一方、名古屋の下水道管は――。
名古屋市によりますと、市が管理する下水道管の長さは約7900km。そのうち4
分の1にあたる約2000kmが、一般的な耐用年数といわれる50年を超えているといいます。
下水道管の老朽化が原因とされる道路の陥没も起きています。
2016年には、千種区の道路に直径約2m、深さが約1.5mの穴ができました。
2023年には、南区の道路で直径1mほどの陥没ができました。
名古屋市では、古くなった下水道管の内部をカメラの遠隔操作で調査しています。調査の結果、問題がある下水道管は交換します。
ほかにもレーダーで探査ができる特殊な車両を走らせて、路面の下に空洞がないかを調査しています。