花粉で肌にアレルギー症状が…「花粉皮膚炎」対策を調査 帰宅後に手洗いと「洗顔」すぐに花粉を落とす

日本気象協会によると、東海地方の2025年の花粉の飛散量は例年と比べ150%と予想されています。鼻詰まりやくしゃみなどが代表的な花粉症のアレルギー症状ですが、この花粉、肌にもアレルギー反応を起こす可能性があるんです。そこで、花粉による肌荒れ「花粉皮膚炎」と肌の花粉対策について調査しました。
肌のバリア機能が低下、花粉が入り込みやすい

「花粉皮膚炎」とは花粉が原因で肌荒れになること。名古屋市立大学病院の森田明理(もりた・あきみち)教授によると、肌に直接花粉が接触することでアレルギー反応を引き起こし、炎症が起こるアレルギー性の皮膚炎といいます。
いまの時期は乾燥により肌のバリア機能が失われてしまっているため、花粉が入り込みやすく、炎症が起こりやすい症状といいます。森田教授は「鼻炎などの花粉症の症状がある人が発症しやすいが花粉症ではない人も発症する可能性がある」と話していました。
「花粉皮膚炎」の主な症状

主な症状を見ていきます。
・赤みやぶつぶつとした湿疹
・かゆみやヒリヒリとした痛み
・花粉が飛散する時期に症状が悪化する
・顔や首といった露出部分、特に目の周りや鼻の周りといった粘膜に近い部分に症状が出やすい

これらの症状を長期間放置すると、肌荒れの範囲が広がり、色素が沈着してシミになってしまい、治すことが難しくなってしまうんです。そうならないためにも森田教授は「早めに医療機関を受診してほしい」と話していました。
予防方法は「花粉をつけない」「洗い流す」

予防方法について東京にある美容皮膚科かおるクリニックの佐藤薫(さとう・かおる)院長に伺いました。ポイントは花粉をつけないことと、洗い流すこと。
大切なのは洗顔のタイミングです。洗顔は花粉を落とすため、帰宅後すぐに手を洗って、そのまま行う必要があるといいます。より良い方法は、帰宅後すぐにシャワーを浴びること。そうすることで、髪などについた花粉も落とすことができます。

洗顔は、肌に刺激を与えないようにしっかりと泡立てて、こすらず優しく洗い、よくすすぐこと。保湿も忘れずに行いましょう。
メガネやマスクを着用して、肌に直接花粉をつけない

肌に直接花粉を付けないこともポイントの1つです。佐藤院長は「帽子や眼鏡、マスクを着用し花粉の接触を防ぐようにしてほしい」と話していました。また、予防としてメークを推奨しています。ファンデーションを塗ると肌の上に被膜を作ることができ、肌に直接花粉がつきにくくなるからだということです。
そのときに使うファンデーションは粒子が肌を保護し、花粉が付きづらい「パウダータイプ」が選択肢の1つだといいます。花粉でつらいこの時期、鼻炎などの対策に加え肌も気にかけてみてはいかがでしょうか。