
ハンガーにぶら下がる珍しい巣も…超危険生物『スズメバチ』の駆除に密着 秋に凶暴化する理由が現場で明らかに


刺されると命に関わることもあるスズメバチですが、秋は狂暴化し『最も危険』と言われています。駆除の現場に密着すると、その理由が明らかになりました。
■巣穴が見えない…スズメバチとの激しい攻防
生活の困りごとを解決する愛知県清須市の「ベンリー」、この日は3カ所の、ハチの巣の駆除を行います。

やってきたのは、名古屋市北区にある一戸建ての住宅、依頼主は80代の女性です。 80代女性: 「窓から見たらハチが2匹ぐらい飛んでいるので、珍しいなと思ってのぞきこんだら『わー』っと思って、びっくりしました」 女性に案内してもらうと、背の高い庭木の葉に隠れるように、スズメバチの巣がありました。

80代女性: 「見たことないし、テレビのお話では聞いたことがあるんですけれど、まさかと思いますよね。怖いですよ」 早速、作業に取り掛かろうとしますが、ある問題がありました。 ベンリー広報技術担当の大川眞也さん: 「ちょっとここのハチの巣は、穴が見えないんですよ。いったんはカッティングして、巣を『見える化』します」 駆除では、できる限りハチを巣から出さないように、出入り口に殺虫剤などを噴射しますが、この巣は茂った葉っぱで出入り口がわかりません。 ハチを刺激しないように気をつけながら、慎重に枝を切っていきます。しかし、巣を守ろうと、たくさんのスズメバチが襲いかかってきます。

スズメバチの猛攻をなんとか振り切り、見えなかった出入り口を発見しました。襲い掛かってきたハチを巣に戻らせるため、しばらく待機した後、出入り口から殺虫剤を吹きかけ、何とか駆除しました。 取り出した巣はおよそ20センチ、中には大量のスズメバチがいました。

80代女性: 「よかったわ。ほっとしました」
■秋が最も危険!その理由は「女王バチ」
なぜ、スズメバチが秋の時期に狂暴化するのか。その理由が、別の現場で明らかになります。 依頼を受けた千種区の団地では、スズメバチの巣が高さ5メートルほどの木の中にありました。目の前にはベランダがあり、いつ刺されてもおかしくない危険な状況です。

ハシゴを登って駆除に取り掛かり、わずか15分ほどで作業が終了…と思ったその時。 大川さん: 「一番でかい、これが女王バチですね」

巣の中に一際大きい“女王バチ”がいました。まだ動いています。実は、この女王バチが、秋にスズメバチが凶暴化する理由だといいます。 大川さん: 「この時季、巣が一番大きくなってきますので、女王バチを倒さないと、また巣を作ってしまう」 スズメバチは、春ごろから巣を作り始め、秋に新たな女王バチが誕生します。そのため、巣を守ろうとする働きバチの攻撃性が強まるといいます。 女王バチも駆除して、作業は無事完了しました。
■どうやって作ったの?意外な場所にハチの巣が
続いて向かった北区にある住宅では、意外なモノにスズメバチの巣が作られていました。 軒下の物干し竿のあたりをよく見ると、ハンガーにスズメバチの巣がぶら下がっています。

大川さん: 「ハンガーの所に作っているんですね。すごく珍しいですね」 珍しいハンガーにぶら下がるスズメバチの巣。ここはすぐ隣に高校があり、近くにスーパーもある住宅街で、凶暴化したハチが飛び出さないよう、慎重な作業が求められます。 大川さん: 「より安全に作業していこうと思って、今回はバキューム捕獲機を使ってハチを吸っていきます」

2024年に導入した新兵器「バキューム」で、スズメバチを一気に吸い取る作戦です。 次々とスズメバチが吸い込まれ、最後はハンガーごと取り外し、作業完了です。 大川さん: 「10月、11月の頭ぐらいまではスズメバチも活発化しているので、見かけたら触らず近づかず、業者を呼んでいただきたい」