西日本最大の拠点、名古屋に誕生した 「アマゾンの心臓部」に潜入 当日配送エリアが拡大

ネットで注文した商品をなぜ即日、配送できるのか。名古屋にできた巨大物流倉庫を取材しました。
「ここがアマゾンの新たな物流拠点。かなり大きな建物」(西尾菜々美アナウンサー)
名古屋市港区で8月上旬から稼働しているアマゾンの“最先端の自動化物流拠点”。
さっそく潜入してみると…
「アームのついたロボットが、商品の在庫が入った箱を次々とコンベアに載せていきます」(西尾アナ)
4階建ての巨大な建物の中には、1900万個以上の商品が保管されていて、西日本で最大の拠点です。
このエリアでは、作業員が商品の在庫登録とともに検品作業を行っています。
商品棚が自走

働いているのは人間だけでなく…。
「近づいていきました。商品棚が自らの足で動いています。この棚を押す人も、道を指し示す人もひとりも見当たりません」(西尾アナ)
青いロボットが黄色い商品棚の下に入り、棚を持ち上げ移動させます。
「(従来は)固定の棚があって、そこに人が歩いて商品を取りに行く、入れに行く作業。働く人は動かず、棚自体が来てくれるシステム」(名古屋みなとFC サイトリーダー 鈴木マリアンさん)
商品棚は、ピックアップ担当者のところまで自ら移動してきます。
「あっ、光りました。あそこの商品です。取り出したら次、また光りました。光ったところの商品を取り出すだけなんですね」(西尾アナ)
アマゾンは、このような巨大物流拠点を全国に25カ所以上設置しています。
ここでピックアップされた商品が、配送を担う「デリバリーステーション」へ送られ、そこから私たちの手元に届きます。
ピーク時には1日60万個以上の商品が出荷されるこの拠点。
東海エリアで「当日配送」できる商品数が増えたと言います。
「お客さまに商品をお届けする“アマゾンの心臓部”と言われる拠点。少しでも早くより正確にお客さまに届けることを日々管理している」(鈴木さん)
続々と物流拠点 なぜ?

巨大物流施設はこんなところにも…。
10月の完成をめざして整備が進むのは、愛知県の東海市と大府市にまたがるバンテリンドーム2個分の敷地にたつ6階建ての大型物流倉庫「ランドポート東海大府ワン」です。
事業主の野村不動産によりますと、これまで愛知県では尾張北部の小牧市周辺や伊勢湾岸の弥富市周辺に物流倉庫が集中していました。
新施設は人口の多い名古屋エリアと、自動車産業が集積する西三河エリアの双方にアクセスしやすいのがメリットだといい、幅広い企業の利用を見込んでいます。
完成間近の施設について、地元の人は…。
「心配するのは交通量がどれだけ多くなるのか」
出入りする車による交通への影響を懸念する声も…。
では、なぜ今、施設が続々と作られているのでしょうか。
東海経済に詳しい専門家は…。
「このエリアというのは用地開発さえできれば、立地条件としては物流センターに最も適したエリアと言えると思います。近年は、東名、名神だけではなくて新東名や新名神、伊勢湾岸、さまざまな高速道路が整備されていますので、よりインターチェンジの近くで用地が大規模に確保できるようになった」(中京大学経済学部 内田俊宏 客員教授)
私たち消費者にも恩恵が…。
「猛暑、酷暑日、多くなっていますし、シニア層を中心に外出を控えるような時期がかなり増えてくる。午前中に注文すればその日のうちに届くという、そういう即日配送エリアが拡大するメリットは大きくなる」(中京大学経済学部 内田俊宏 客員教授)