
東京から名古屋にある“布のテーマパーク”へ 前代未聞?!のバスツアー企画「大塚屋の世界観を楽しんで」

名古屋に本社を構える生地や手芸用品などを取り扱う「大塚屋」。創業75年の歴史の中でも前例のない、東京発の大塚屋お買い物バスツアーの開催を発表しました。目的地は名古屋の生地店、しかも片道5時間のバス移動。異色の長距離バスツアーを企画した社長の狙いとは――。

名古屋市東区が本店の「大塚屋」は生地だけで4万点を取りそろえる生地屋。地下1階から4階の5フロアで生地や手芸用品などを取り扱う、“布のテーマパーク”。
大塚屋は、コロナ禍では実店舗が苦戦したものの、近年は3年連続で売り上げが伸びているそう。オリジナル商品や国内のみならずイタリアまでに仕入れに行くことも。ここ数年、編み物需要が高まってコーナーを拡大したり、推し活・ぬい活の流れで3年前から「ぬいコーナー」を設置したりするなど「ここにしかない、稀少価値のある商品」を増やしていることが一因だそう。
そんな“布のテーマパーク”を12月13日(土)~14日(日)の1泊2日で楽しむことができる「大塚屋車道本店お買い物満喫ツアー」が企画されました。
参加者に「布のテーマパーク『大塚屋』の世界観を楽しんでほしい」と話す、社長の大塚真史さんにツアーを企画した経緯、こだわりなどを聞きました。
バスツアー開催のきっかけは、新しい試みを何かしたという思いから始めた社長自ら出演するインスタグラムのライブ配信中だったそうです。
2025年5月に行った店内紹介のインスタライブ中に「実際に大塚屋ツアーがあったら行きたい」、「東京からでも行きたい」などのコメントがあり、大塚さんが「バスツアーがあったらおもしろいかもしれない」と考え、構想が始まったそう。
なぜ、東京から名古屋にある大塚屋へ?

でも、「なぜ東京から名古屋に?」東京にも生地屋があるはずなのに、わざわざ名古屋にある大塚屋に行くのかと思うはず…。
大塚さんには、ハンドメイド好きが集まるイベント「日本ホビーショー(東京ビッグサイト)」に2年前初出店した時の成功例があったそうです。
名古屋から東京にたっぷりと持参した生地はすべて完売し、大盛況。ホビーショー後は、東京から大塚屋の店頭HPへのアクセス数の推移に変化があったそうです。
本社がある愛知よりも東京からのアクセス数が激増。少なくとも東京から大塚屋への興味を持つ人がいると思ったと、社長の大塚さんは話します。
東京から大塚屋に興味を持っていても、「東京から行くのは遠いし…」、「どうやって行けば…」などと思っている人のために、交通手段と宿泊先を用意すれば来てくれる人がいるはずと、地元旅行会社「名鉄観光サービス」協力のもと開催発表に至ったそうです。
お買い物満喫ツアーの内容

1泊2日で開催されるバスツアーの内容は――
1日目は東京駅を午前8時にバスが出発、大塚屋から徒歩5分の距離にある宿泊先「ホテルメルパルク名古屋」に午後1時到着してランチをしたあとは、閉店の午後6時半まで大塚屋で買い物が楽しめます。
2日目は午前10時の開店から東京へのバス出発の13時半まで買い物ができ、2日間「大塚屋」を満喫できる内容となっています。
ツアーの3大特典も――
1. 1000円分の買い物券
2. 買い物した商品を自宅へ無料配送サービス
3. 大塚屋オリジナルブランケットプレゼント
さらに食事については、「1日目の昼食」と「2日目の朝食」付き。
1日目の夕食はフリーで「営業時間終了ギリギリまで買い物を楽しみたい」「初日は早めに帰路について、名古屋グルメを楽しみたい」など様々なスタイルを想定して、あえて夕食はプランに含めない判断をしているというこだわりよう。
2日目の昼食は大塚屋の2階にある喫茶店「フルフル」、1階外には50年変わらぬ味の歴史あるお好み焼き・みたらし・たこ焼きの「天野屋」がおすすめだそう。
「大塚屋の世界観を楽しんで」

今回のツアーについて、「東京にはなかなか、大塚屋のような品ぞろえを1つの場所に固めているところはないはず。大塚屋の世界観を楽しんでもらいたい」と話す大塚さん。
さらに、「規模は違うが、東京にあるディズニーランド、大阪にあるUSJが愛知に来るまで待とうとはならない。大塚屋をテーマパークにとらえるのであれば、東京に出店するのではなく、東京から来たいと思う価値があれば、大塚屋のアトラクションは、生地やハンドメイド材料。4万点のアトラクションを持って帰って作って楽しめる。テーマパークのアトラクションの待ち時間を大塚屋では、作っている時間や生地などを選ぶ時間」だと大塚さんは話します。
また、現段階では公開されていない大塚屋ならではのサプライズ企画を考えているそう。
大塚さんから内容を聞くと「ファンにはたまらない企画」なはず。企画も1つだけではなさそうです。
ツアーの予約は9月1日から開始されています。
募集人数は40人(最小催行人員30人)、定員にまだ余裕はあるそうです。
「純粋に大塚屋が好き」で申し込んでいる人に会って直接話をすることを楽しみにしている大塚さん。「来てよかった、大塚屋がさらに好きになった」と思ってもらえるツアーにしたいと、今から意気込んでいます。
オンラインでも手軽に商品を購入できますが、実店舗で買い物する良さは、多くの商品に囲まれて品物を吟味し、時間をかけて自分自身で切ったり縫ったりする体験。そうした体験を提供することが、次世代の生地手芸店に求めれていることなのだと、社長の大塚さんは語っていました。
(メ~テレ 杉浦佐和子)