
牛から和菓子まで…もはやウナギだけじゃない『土用の丑の日』多様化の背景には元々の習慣や地元に伝わる風習


「土用の丑の日」を前に、ウナギを楽しむスタイルが広がっています。550円のうな丼や、“金シャチ”のような豪華なひつまぶし、さらにはスイーツなど、さまざまな味わい方が登場しています。
■うな丼は550円!ひつまぶしは950円!
名古屋市中区にある『うなぎのうな泰』では、うな丼1杯を550円で提供しています。ひつまぶしも950円です。

うな泰矢場町店の大川慎一郎店長: 「お客さまにセルフサービスというところで配膳などを少し手伝っていいただき、人件費を減らして」

ある調査では、1人あたりの「うなぎ予算」は1500円未満という人がおよそ半分を占めていて、昨今のうなぎ事情は“お手ごろ”がトレンドなのかもしれません。
■1日4食限定 金シャチがそびえるような…
名古屋市瑞穂区の『ひつまぶし う家』では、1日4食限定のひつまぶしを提供しています。その名も「金シャチひつまぶし」です。

700グラムのご飯の上に、肉厚なウナギの「かば焼き」、「白焼き」、「う巻き」、「肝焼き」を乗せて、さらに左右に金シャチがそびえるようにエビの天ぷらが乗り、金粉で飾った豪華絢爛な一品となっています。 値段は5478円と少々お値段は張りますが、たまのぜいたくにはいいかもしれません。
■焼肉「あみやき亭」はウナギではなく…
大手焼肉チェーンの『あみやき亭』では、土用の丑の日限定で「うしの蒲焼き」を販売します。しかし、土用の丑の日になぜウナギでなく牛なのでしょうか。

あみやき亭中部営業本部の北村哲哉エリアマネージャー: 「ウナギも脂が非常においしいものですし、スタミナがつくというところでも(牛肉と)共通しておりますので」 国際中医薬膳師の瀬戸佳子先生などによると、“土用の丑の日にうなぎを食べる”というのは江戸時代後期から定着した習慣で、もともとは「う」と名の付く食べ物を食べると夏バテしない、とされていたとのことです。

北村エリアマネージャー: 「ウナギに勝るとも劣らない味を再現しておりますので、お手軽にご利用いただけると思います」
■土用の丑の日にも「多様性」が…
三重県伊勢市にある『赤福』が手がける和菓子店では、「土用のさわ餅」を提供しています。

五十鈴茶屋本店の店長: 「さわ餅は夏の土用の時期にあん入りのお餅を食べて、無病息災を願う郷土菓子」 さわ餅は、つぶ餡を黒ゴマ入りのお餅で包み込んだスイーツです。昔から伊勢志摩地域では、無病息災を願って夏の土用の時期に食べられてきたご当地フードです。 気になる味も、ほんのり塩の味がして甘さが引き立てられていて、暑い夏にぴったりとなっています。 土用のさわ餅は、名古屋の百貨店でも7月16日から期間限定で販売されます。