
10月からポイント還元禁止に…ふるさと納税で“駆け込み寄付” 当て込んで返礼品のキャンペーン展開する市も


ふるさと納税の「ポイント還元」が9月末で禁止されるのを前に、愛知県大府市は返礼品におまけを付けるキャンペーンで寄付を呼び込んでいます。仲介サイト各社も高還元を打ち出し、“駆け込み寄付”をめぐる競争が激しくなっています。
■9月末で禁止となる「ポイント還元」焦りの声聞かれる
今、街の人から焦りの声が聞かれるのが、贅沢なうなぎや便利な生活雑貨まで豊富な返礼品で人気の「ふるさと納税」です。

街の人: 「SNSで見て、慌てて駆け込みました」 みなさんが焦っているワケが、『ポイント』です。 街の人ら: 「せっかくならポイントが付いているうちにと思って」 「(ポイントが付かないと)しなくなるかもしれないですね。大きかったです」 仲介サイトを経由することで還元されるポイント。この「ポイント還元」が、9月いっぱいで禁止となります。 総務省は、ふるさと納税の趣旨は寄付による地方支援で、ポイント競争の過熱はその趣旨からかけ離れているとしています。 村上誠一郎総務相: 「公金を使用した公的な税制上の仕組みでありまして、いわゆるインターネット通販であってはならない」 これに対して、仲介サイト側は反発。

楽天グループの三木谷浩史会長兼社長(2025年2月): 「ポイントマーケティングというのは広告と変わらないんですよ。民間の知恵を阻害するということで、われわれは強く反対させていただきます」
■「駆け込み寄付」取り込もうとキャンペーン展開する愛知県大府市
10月のポイント廃止を受け、東海3県でも駆け込み寄付が起きていました。 2024年度の寄付額が県内4位のおよそ23億円だった愛知県大府市。「エアウィーヴ」や冷蔵で届くおせちなどの返礼品が人気で、8月から寄付が急増しました。

大府市商工業ウェルネスバレー推進課の担当者: 「8月の寄付額が昨年度比で2倍に。サイトの閲覧数やお問い合わせが増えてきておりまして、年末のような駆け込み需要がきていると感じております」 この駆け込み寄付を取り込もうと、大府市ではキャンペーンを展開しています。 大府市商工業ウェルネスバレー推進課の担当者: 「赤身ステーキには、切り落とし250グラムがプラスでつくということで、とてもお得だと思います」 600グラムの黒毛和牛ステーキ肉などに、250グラムの切り落とし肉をプレゼント。

ほかにも、寄付額5万円以上のエアウィーブの返礼品には、市制55周年の「ゴーゴー」にちなんで、新米5合がおまけに付いてきます。 さらに、おせちには6枚入りのえびせんべいがプレゼントされるなど、お得なキャンペーンを9月末まで実施しています。 大府市商工業ウェルネスバレー推進課の担当者: 「地場産品もすごいんだぞということを知っていただきたい」
■楽天は20% ふるなびは最大100%還元 各サイトのキャンペーン
ふるさと納税では、自己負担額2000円で、納税額の3割相当の返礼品がもらえます。今は仲介サイトを使うとポイント還元があります。 例えば、年収500万円の人が、控除の上限額・およそ6万円のふるさと納税をポイント20%還元のサイトで申し込むと、およそ1万2000円分のポイントが付与されます。自己負担額の2000円を引くと、実質1万円プラスになります。

仲介サイトも、さまざまなポイント還元キャンペーンを展開しています。 例えば、「楽天」は条件付きで20%以上のポイント還元、「ふるなび」は抽選で最大100%還元というキャンペーンも行っています。「アマゾン」は最大20%、「ふるラボ」は寄付額の12〜13%分がアマゾンギフト券で還元されるそうです。

ふるさと納税サイトを比較する「ふるさと納税ガイド」の福田航太さんは「これほどのポイント還元は、いまだかつて見たことがない。今月中にやるべき」と話しています。 ただ、注意点もあるということです。 ▼キャンペーンの待ちすぎに注意! 人気の返礼品は品切れになることもあり、こまめなチェックが必要。 ▼冷蔵庫パンパンに注意! 冷蔵や冷凍で届くグルメも多いので、9月に一気に頼んでしまうと、同じ時期にたくさん届いてしまい、保管に困ってしまう可能性がある。配送時期をコントロールできるものを選ぶとよい。